サンドリオン、結成7年目にして掴んだ念願のメジャーデビュー ドリオンズへの決意を胸に踏み出す大きな一歩
「ドリオンズからみた〈大事な宝物〉は私達であってほしい」(黒木)
ーー今回リリースする楽曲「Angel Ladder」は、メジャーデビューにふさわしい楽曲ですね。
小峯:最初はシンセのメロディだけを聴いたんですけど、その時点で「めちゃくちゃサンドリオンの曲じゃん!」と。すごくしっくりきました。
汐入:そうそう。メジャーデビューすることで、ガラッと雰囲気が変わったら悲しいじゃないですか。だけどメロディがまさにサンドリオンらしいテンションなんです。それに、歌詞もメジャーデビューという“大冒険”の始まりを感じさせる内容になっています。日本コロムビアさんが、私達のいろんな思いを汲み取って曲を用意してくださったんだなと感じました。嬉しいデビューの形です。
小山:私も歌詞がすごく好きです。丸6年やってきたうえでの新たなスタートだから、ここまでの6年もぎゅっと詰まっていると感じ取れる歌詞なんです。特に好きなのは、Dメロにある〈誰でも少し 最初は怖いけど 一歩を踏み出した〉というところ。どんなことであっても新しいことを始めるのは怖いじゃないですか。大人になればなるほど億劫になったり、馴染めるかなと不安になったりするから。そんな本音もまじりつつ、「明るい未来に向かっていくぞ!」という思いがたっぷり込められています。私達の曲だと実感できて、すごく好きです。
黒木:あとは、メジャー1stシングルらしいちょっとキラッとした華やかな雰囲気がありますよね。聴いた瞬間、「いい曲来た!」と感じたし、サビ前の4人の歌声が重なる部分からは、サンドリオンの「声の力で世界に煌めけ」というコンセプトを感じられます。私達は、一人ひとりの声の個性が少しずつ違うのも魅力だし、4人の声が重なってまた違う表情になるのもいいところだと思っているので。このパートがあって嬉しいです。
ーーではレコーディングについても。ディレクションはありましたか?
黒木「弾むように歌ってほしい」とたくさん言われましたね。「飛び石を飛ぶように」とも。
小山:「越えるように」とかね。
小峯:あとは、やっぱりレコーディングって張り切ってしまうものなので、どうしても肩に力が入りやすいんですよ。だから、「力を抜いて歌ってほしい」とも言われました。タイトルにエンジェルが入っているくらいだし。
ーー実際、当日は張り切りすぎたところがある?
小峯:そうですね。私はこの日、確かレコーディングスタジオに自転車で行ったんですよ。だから身体も温まっているし、メジャーデビューの一発目だから「本気で歌うぜ!」みたいな気合いが出すぎていたのかもしれないです。「一旦、力を抜こうか」みたいな(笑)。
ーーちなみに、さきほど小山さんが挙げた〈誰でも少し 最初は怖いけど 一歩を踏み出した〉という歌詞は、〈勇気がくれるのは 大事な宝物〉と続きます。この〈大事な宝物〉ってみなさんは何だと思いますか?
黒木:ドリオンズから見たら、(大事な宝物は)私達であれと思いますね! メジャーを機に、サンドリオンを知ってファンになってくれる方もいると思うんですけど、やっぱり6年続いているユニットのファンに今からなるって……不安もある気がするんですよ。「今までのこと、何も知らないけど……」みたいな。でも、そこで一歩踏み出してもらえれば、私達が「楽しませるよ!」と待っているから。ドリオンズにとっての宝物はサンドリオンであってほしいです。
小山:そうだね。勇気を出してライブを観に来てくれたら、絶対楽しませます。それは、私達の目標にしていることのひとつなので。そうして、ライブや会える機会を経てできた思い出が、大事な宝物になればいいなと思います。
黒木:私達の宝物は、これから見つけるものも多いかもしれないね。
小山:増えていくものだからね、宝物って!
ーー続いて、カップリングの「カラフルイロドル」についても。
小峯:ファンの方への決意表明のような曲ですね。
汐入:〈ずっと歌い抜くと決めたんだから〉とかね。
小峯:そうそう。しかもこの歌詞は、「自分に言い聞かせるように歌ってください」と言われたんですよ。たぶん、みんなそうだよね?
小山:うん。聴く人たちに強く宣言するように歌ってみたんですけど、「そうじゃない」と。
黒木:もう決意したからこの想いは変わらないよという、ある種穏やかなイメージなんだよね。
小山:だね。それにほかの部分の歌詞も、〈~したいの〉とか〈彩るわ〉とか、全部自分に言っているようなニュアンスの語尾なんです。だからこその決意表明。私達の気持ちを聞いてください、こうしたいんだと伝える曲ですね。
ーー表題に続き、こちらもメジャーデビューにふさわしい曲なんですね。
小山:そうですね。両A面でもいいくらい。
汐入:それに、シンプルにサウンドがめちゃくちゃいいですよね。誰が聴いても刺さる。私自身、初めて聴いたときから好きな曲だなと思いました。歌詞も自分のなかにすっと入ってくるような内容で、今まで思ってきたことやデビューに向けての今の私の思いがそのまま言葉になっているのかなって思うくらい。なので、すんなり自分の中に落とし込めました。
ーーでは、レコーディングもそのままいけましたか?
汐入:いや、やっぱり肩に力が入っちゃいましたね。なので、大好きな焼き鳥の話で和ませてもらいました。「ちゃんしお(汐入)は、焼き鳥の話をしたら力が抜けたね。これから焼き鳥の話をしてから歌おうか!」って言われたくらい(笑)。
小山:でも、焼き鳥の話一本だけだと飽きてきちゃうんじゃない? 3回目ぐらいで。
汐入:そうなんだよ~。このときは、「好きな部位ドラフト会議」をやったんですけど、部位にも限りがあるので(笑)。
「6周年ライブの『Go!Action』は一体感がすごかった」(小峯)
ーーメジャーデビュー1stシングルに収録される2曲は、4月1日に行われた6周年ライブ『サンドリオン6th Anniversary Live~MUCHU×4~』でも披露したそうですね。声出し解禁や客席に降りるといった演出もあり、久々の感覚が味わえたかと思います。
汐入:そうなんですよ。近かったー!
小山:より近くでドリオンズの表情や反応を見られて、すごく良かったよね。
汐入:よかった! イヤモニを突き抜けてくるみんなの歓声を聞いたときは、「あぁ、もどってきたんだな」と思いました。
小峯:本当に嬉しかったよね。
ーー声出し解禁後のライブでは、観客が探り探りで逆にあまり声が出ないといったケースもあるようですが、このライブに関しては終始生き生きとした歓声が聞こえていました。
汐入:そういうセットリストにしたのもよかったんだろうね。
小山:そうだね。セットリストを考えていた時は、まだ声出しできるかわからない状況だったけど。
汐入:だから、声出し用と声出さない用の2パターンのセトリを組んでいたんです。で、ギリギリまで「どっちのセトリでいくの? 早く決めないと!」って。
小山:そうそう! で、本当にギリギリで声出し用に決めて練習して、本番に臨みました。だから、歓声を出さない用のセットリストにバラード系の聴かせる楽曲を入れていた分、声出し用はバラードをフル無視した内容に。「とりあえず声出せ!」みたいな曲ばかりになりました。
黒木:もはや、サンドリオンにはバラード曲がないと思われているかもしれない(笑)。
小峯:ただ、おかげでライブってこれだったな! と、すごく懐かしい気持ちになりました。
小山:本当だよね。声が出せなかった時は、一緒に振りを踊って一体感を出したりとか、クラップをもらって一体感出したりして、コロナ禍なりに模索しながら一緒の空間を作ることを目標にしていたんですけど、やっぱり声が入るだけでさらにギアが上がりました。会場の熱気もガーン! と上がった感じ。
黒木 とにかく楽しかったねー!
ーーでは、今回のライブの中で一番思い出深い曲というと?
黒木:ムズい! それはマジでムズいですよ。
小山:いっせーので、で言う?
汐入:決められないです、私……。
ーー難しければ「決められない!」でもいいですよ。
黒木:いや、出します! じゃあ、いっせーのでいこう。「超楽しかった!」みたいな感じの曲であってる?
小山:私はそのつもり!
小峯:えっ、そうなの? どうしよう、合うかな?
小山:とりあえず言ってみよ? せーの!
小峯・汐入・小山:「Go!Action」!
黒木:「カラフルイロドル」!
4人:おぉ~……!
小山:「Go!Action」以前の曲でも十分歓声が上がっていたんですけど、イントロがかかった瞬間、「ウワーッ!」という声がすごかったんです。配信にもしっかり入っていたくらい。私達のテンションも上がったけど、客席のテンションも一気に上がった気がしました。
小峯:一体感がすごかったよね。
汐入:うんうん!
小山:で、「カラフルイロドル」はどうだった?(と、黒木のほうを向いて)
黒木:「新曲を歌います」と言って、「Angel Ladder」だけじゃなくて、カップリングまでやるのって、多分みんな驚くし嬉しいと思うんです。私も、振り付けがついてもっとキャッチーな曲になったなって思っているから、振りも含めてパフォーマンスできたのがめちゃくちゃ楽しかったんですよね。「Go!Action」とも迷ったんですけど。
小峯:確かに、「カラフルイロドル」も良かったよね。で、あすかは言ったっけ?
汐入:私? 「Go!Action」って言ったよ?
小峯:あ、そうだっけ!
小山:ちょっと~、あすかそういうの怒っちゃうからさぁ。
汐入:そうだよ! この前言ってたあの……なんだっけ? あ、「カッチーンからのプッチーン」!
ーーあ、生で聞けました。嬉しいです(笑)。
小峯:……えっ、もしかして『スタヴァ!』(サンドリオンがYouTubeで配信している生番組)観ました?
ーーはい。番組内のそのくだりも、ちゃんと観ました。
小峯:やばいやばい(笑)! まさか観られているなんて。
小山:4人が楽しいことだけ喋っている番組なので……申し訳ないです(笑)!