エリック・クラプトンは通算100回目の武道館公演 ボブ・ディラン、ジョージ・クリントン…レジェンドアーティストの来日ブーム

レジェンドアーティストが続々来日

 なぜ、彼らの公演がこんなにも求められ熱狂されるのか。「彼らが“伝説”であり、現代の音楽の源流であるから」と答えれば簡単だが、冷静に考えてみるとライブパフォーマンスそのもののあり方が圧倒的であると感じる。

 ファンサービスを意識して人気の高い曲を優先させるようなセットリストを組むアーティストが多いのに対して、クラプトンやディランのように固定ファンがつき、何年もライブをやっていると自由に演奏できるものだ。今回の武道館100回記念公演当日に、クラプトンは最も人気の高い曲の一つ「いとしのレイラ」を演奏しなかった。ディランもヒット曲よりも、自分のやりたい曲をやっていたように見えた。そういった彼らの“本当にやりたい音楽”が聴けることも、いま公演に足を運ぶべき大きな魅力と言えるだろう。

Bob Dylan & Neil Young in concert at Hyde Park, London, UK - 12 Jul 2019(写真=REX/アフロ)

 何より、生きる伝説は生きている時に見ておきたい。自分が歳を重ねる過程でずっと来日公演を重ねてくれて、聴くたびにパフォーマンスや曲の感じ方が変わったり、その変化の中に自分自身の変化を感じたり。そんな体験は他ではできないことだ。5月10日からはビルボードライブ東京にて、プリンスやディアンジェロなど多くのアーティストに大きな影響を与え続けたジョージ・クリントンの来日公演も始まった。コロナウイルス流行の落ち着きもあって、海外アーティストの来日が増える今、レジェンド級のライブがこうも数多く開催されると感覚が麻痺しそうになる。しかし、それが当たり前ではないことを噛み締めながら生涯の体験として足を運ぶことを、おすすめしたい。

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