ぜんぶ君のせいだ。出会いと別れを経て“約束の場所=武道館”へ 命を燃やすように叫び続けた活動休止前ラストライブ

武道館に響いた患いの無題合唱、そして完全燃焼のWアンコールへ

寝こもち

 5人が手をつなぎ「ありがとうございました」と挨拶をしてステージから去ると、患いたちからぜん君。への愛が叫ばれ、客席からは喝采が起こる。そこから〈君の手のぬくもり こんなに覚えてるのに/どうして? どうして〉と「無題合唱」のサビが繰り返し歌われることに。それはメンバーが現れるまでエンドレスに続いた。

 その景色に、武道館という特別な場所にぜん君。が立つタイミングで、声出しが解禁になったことにも感謝したい気持ちになった。変わり続けてきた未来で見つけた、変わらなかったもの。そんな患いたちの愛を受け止め、彼女たちがアンコールで1曲目に歌ったのは「無題合唱」だった。

「この指とまれ!」

 小指を掲げて、桜吹雪のエフェクトが施されたライブカメラが、彼女たちの晴れ晴れとした表情をスクリーンに映し出していく。すると、込み上げるものがあったのか涙を流してしゃがみこんだ如月。

 小指は“約束”を、そして“運命の結びつき”を象徴する指だ。約束を果たした安堵感と、ここまで来るのにいくつもあった別れと出会いを思い返したのかもしれない。そんな如月に寄り添うように肩を並べて歌う4人。そして5人で手を合わせて〈「離れたくないよ」〉と歌う姿に心臓がキュッとなった。

 そして、まだまだこの夢のような時間を楽しむんだと言わんばかりにアンコールだけで8曲を披露。パワフルにライブを重ねてきた彼女たちのスタミナには脱帽するばかりだ。もちろん患いもそんな5人に負けじとエネルギーを送り続ける。「行くよ、ジャンプ!」と拳を振り上げて踊り、これぞ狂喜乱舞といった光景が広がった。

个喆

 その盛り上がりはWアンコールへと続く。メンバーカラー×チェック柄の衣装にチェンジして再登場したメンバーは、「宣誓! 我らやみかわぐんは 強大な妄想と虚像のミルフィーユにフォークを突き刺すがごとく患い、 我が“きゅんジュエル”を捧げます!」と宣誓。かわいさ全開で「やみかわぐんぐんか」「ものの恋あはれ」を熱唱する。

 ギュッと集まり肩を組んで歌う5人をまだまだ見ていたい気持ちだったが、残念ながら終わりの時が近づいていく。ラストソングは「ねおじぇらす∞めろかおす」だった。銀テープの噴射と共に、完全燃焼と言わんばかりに弾けまくる5人。そして「みんなも一緒に!」と、最後の最後まで患いと共に走り抜ける、ぜん君。としての生き様を感じた。

「本当にありがとうございました!」

 5人で挨拶をした後に、如月がひとり残ってマイクを外し、生声で感謝の言葉を届けた。小指を立て、クシャッと笑って去っていくその清々しい表情にきっとまた会える、そんな気持ちが芽生えた。そのときはもっとパワーアップしている、そんな予感も。まずは全力で走り抜けたぜん君。に「お疲れ様」を。そして「またね」と心の中でゆびきりしたい。

<SET LIST>
01.Cult Scream
02.WORLD END CRISIS
03.arcana ail
04.aiHUMANOID
05.SCAR SIGN
06.孤HOLIC
07.唯君論.
08.オルタナティブメランコリー
09.ギザトゥンク%
10.メスゲノムフェノメノン
11.Greedy Survive
12.キミ君シンドロームX
13.Heavenlyheaven
14.ICE CREAM REBEL
15.ぼっちコネクト終
16.Sophomore Sick Sacrifice
17.世界にたった一人ちっぽけな君を
18.せきららららいおっと
19.DEADENDprisoner
20.痛カルマバ◯ス
21.ぜんぶ僕のせいだ
22.When you 2 WANT
EN1.無題合唱
EN2.革鳴前夜
EN3.夢幻路
EN4.堕堕
EN5.歩兵ディストピア
EN6.みすふぃっとらゔぁーず
EN7.僕喰賜君ノ全ヲ
EN8.MONOLOGUE
WEN1.やみかわぐんぐんか
WEN2.ものの恋あはれ
WEN3.ねおじぇらす∞めろかおす

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