倉知玲鳳・高木美佑・小泉萌香が語る、初の単独公演を経たPeaky P-keyの第二章 挑戦の日々で実感するパフォーマンスの成長

ピキピキ、実感するパフォーマンスの成長

「制作チームから私たちへの挑戦状」(高木)

ーーそのライブでは、今回リリースされる「響乱☆カウントダウン」も披露されました。この曲を最初に聴いたとき、皆さんはどういう印象を持ちましたか?

高木:アカペラのハモから始まるから、びっくりして。

小泉:「ムズすぎ!」って(笑)。

倉知:しかも4声全部(メロディが)違うんだよね!

高木:聴き終わる前から「すごいの来た!」って思いました。2番もラップ全開だし。ラップパートのテンポが速すぎて、一回BPMを落として聴いたくらいでしたから。

小泉:聴いているぶんにはめちゃくちゃカッコいいんですけど、そういう大変さが伴う曲だというのが第一印象でした。

倉知:歌唱力もリズム感も試されるという難しさがありました。しかも、ダンスしながら歌うとさらに難しいという(笑)。

ーーおっしゃるとおり、難易度が一気に上がりましたよね。アルバムでひとつ区切りというか、初期のスタイルが確立されたからこそ、さらに一段高いレベルの楽曲が用意されたのかなと。そういう意味でも、第二章の始まりにふさわしい1曲だと思います。

高木:私たちの最初のオリジナル曲「電乱★カウントダウン」を、『グルミク』(スマホ向けリズムゲーム『D4DJ Groovy Mix』)2周年のタイミングにリバイバルさせようということで制作された楽曲なので、第二章の始まりというのはそのとおりだと思います。

ーーテンポ感がトリッキーなので、それにあわせてメロディラインのアップダウンも激しい。レコーディングはかなり大変だったんじゃないでしょうか?

倉知:私はサビが大変でした。

小泉:メロディの高低差が大きいもんね。

倉知:あと、息継ぎのタイミングが難しくて。

高木:今までの楽曲の中でも、一番レンジが広いんじゃない? Aメロなんて結構低いのに、サビはめちゃくちゃ高いし。

倉知:そうなの。サビは言葉数が多くメロディも動きも細かいので、最初はそこについていくのが大変で。譜面にかじりついてました(笑)。

ーーそこにどう食らいついていったんでしょう?

高木:今までの曲で一番練習したかも。

小泉:そういう意味では、慣れかもしれませんね。

高木:慣れるまで歌うしかなかったよね。

小泉:しかも、4声全部違うメロディだから、誰も当てにできないし(笑)。

倉知:オクターブ違いで歌っているのかと思うと、実はちょっとずつ違うからね。

高木:その細かい違いが重要なんだと思う。これはもう、制作チームから私たちへの挑戦状ですよ(笑)。

倉知:(笑)。そう考えると、自分のパートのレコーディングを終えて、みんなの声が重なったものを聴いたあとのほうが(曲が)スッと入ってきたかもしれません。いつも一緒にいるメンバーの声が入ると耳馴染みもよくて、理解しやすいのかな。

高木:それもあってなのかライブでは4人で歌うのが楽しい曲なんですよ。

ーーなるほど。音源を聴いたときの気持ちよさって、この4声ハーモニーによるところが大きそうですよね。これがライブで再現されたとき、僕は鳥肌が立ちましたから。

全員:うれしい!

高木:確か、前半ブロックの最後に披露したんですよね。そこまでの流れがあったから、最後に「来た来た!」っていう高揚感もありましたし、だからこそ“バシッと決めないとな”と思いました。

倉知:より気合いが入ったよね。

小泉:うん。

ーー歌詞に関してはいかがでしょう?

倉知:〈天下無敵〉とか、Peaky P-keyお決まりのフレーズも豊富で。

高木:〈豪華絢爛〉とか〈奇抜大胆〉とか、4文字熟語が多いよね。

小泉:〈最上級〉とかPeaky P-keyらしいフレーズが詰め込まれていて、王道感が強いのかな。

ーー「電乱★カウントダウン」から1周して、ここからリスタートという。その一歩目に相応しい感じが、歌詞からも伝わりますね。

小泉:確かにそうですね。

倉知:歌詞の中に〈P!key!Show!!〉とあるので、新たなショーの始まりとも重なって。某夢の国を想像しながら(笑)、最上級のエンタテインメントショーを強く意識しています。でも、ブリッジ部分のセリフが全部英語なのは驚きました(笑)。

高木:最初は「これ、愛美さんどうやって歌うの?」って思いましたけど、ライブでも響子(愛美演じる山手響子)らしくカッコよくて。

「絵空からのラブレターみたいなニュアンスがある」(小泉)

ーーPeaky P-keyのカッコいい要素の詰め合わせみたいな仕上がりで、このユニットの今の魅力を知ってもらう上でも入り口にぴったりな1曲だと思います。一方で、カップリングの「Ideal Factor」は倉知さん演じる清水絵空のメンバーに対する思いが詰まった楽曲です。

高木:これまでやったことがないタイプの曲だなと思いました。

倉知:Peaky P-keyにしては可愛らしいなという印象で。曲後半にはちょっとK-POPっぽさもあったりして、また新しい扉が開いたと思いました。

小泉:可愛らしい曲調ではあるんだけど、100%可愛らしい楽曲ではないところが絵空らしいなと思って。ちょっとダークさというか、内に秘めたものを全部出し切らない、全部見せない絵空の性格が曲にも表れていて、私としてはワクワクします(笑)。サビでちょっと明るく盛り上がってきたかと思ったら、間奏で不穏な空気になるところには最高に刺激されますね。

ーー倉知さんは絵空目線でこの歌詞をどう受け取りましたか?

倉知:親目線じゃないですけど、やっぱり「よかったねぇ」というのが一番大きいかな(笑)。

高木:サビなんて、絵空からみんなへの愛が詰まってるからね。

倉知:ギュッとね。〈きょうこの先〉からの歌詞にはメンバーの名前が散りばめられていて、そういうところが絵空ちゃんらしいなって。

高木:そこに自分の名前は入れないところもらしいよね。

小泉:見守ってくれているんだなって感じるよね。

倉知:〈同じ時間 場所に辿り着き 同じ空間で 夢を吸い込んで〉とか、すごく素敵な言葉すぎて。ピキピキと出会えたからこそできた歌詞で、これだけピキピキに愛を持って接している絵空ちゃん、なんて愛おしいんだと思います。

小泉:泣けてくるよね。

倉知:そうなの! バラードではないんだけど、聴いているだけで心にジーンと響いてくるし。

小泉:絵空の家族との関係とか、そういうことをメンバーがみんな知っているからこそ歌詞が響くし。本当に3人のことを好きでいてくれているんだなということが伝わるよね。

倉知:だって、〈ダイスキ♡〉ってきっぱり言っちゃってますからね(笑)。絵空ちゃんの気配りや視野の広さが感じられる曲で、本当にいい居場所が見つかってよかったねと思います。

小泉:ほかの楽曲だとみんなでぶつかりあって、お互いを認め合いながら成長していこうとしている姿が伝わるんですけど、この曲はまた違っていて。絵空からのラブレターみたいなニュアンスが含まれた、ストレートな内容なんですよね。

倉知:ラブレターはしっくりくるね。

ーーこの曲はボーカルに関しても「響乱☆カウントダウン」と対極にあるといいますか。可愛らしさの中に艶っぽさも感じられて、「響乱☆カウントダウン」とは異なる心地よさがあるんです。

小泉:確かに、歌い方に関しては普段とは違った形にした記憶があります。

高木:いつもは強いサウンドに負けないパワーを出さなきゃと意識しているんですけど、この曲は声を張りすぎないというか、ちょっと余裕がある感じがより出ているのかな。

小泉:メロディに身を任せるというか。

倉知:確かに。私も強さよりも繊細さを大切に歌おうと意識して、レコーディングに臨みました。

ーーこの表現の幅って、4年近くにわたり活動してきたからこその成長の証ですね。

倉知:この期間でキャラクターのことをより理解したからこそ出せる幅であって、「こういう面もあるよね」と自信を持って歌えるのは、ゲームやアニメの中でのキャラクターの成長を経てというのもあると思います。

ーー2曲ではありますが、聴き終えたあとの充足感が非常に大きなシングルだと思います。

高木:ありがとうございます。2曲とも、アレンジの仕方がまったく異なりますしね。この「Ideal Factor」は今までのピキピキにはなかった音が詰まっていて、個人的にもこのサウンドは大好きです。

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