MAZZEL、DXTEEN、XY、龍宮城……ボーイズグループのデビュー続々 楽曲面から伝わる独自性を分析
XY「Crazy Love」
3組目は、YOSHIKIがプロデュースを務めたバンド&ボーイズグループオーディション『YOSHIKI SUPERSTAR PROJECT X』から誕生した新グループ・XY。明確に「ワールドスターを発掘」することを見据えて始動した同オーディションを経て選ばれたのは全13名のメンバーで、バンドとダンスボーカルグループの2つを各メンバーが流動的に行き来する形での活動が展開されていく予定だ。YOSHIKIが作詞作曲を手掛けたデビュー曲「Crazy Love」は、実際のステージパフォーマンスを観れば明らかなように、バンドとダンスという異なる2つの表現の熱量を見事に一体化したナンバーとなっている。もちろん、全編にわたってYOSHIKI節とも呼ぶべき情熱的なメロディが光っていて、彼が奏でる流麗なピアノの調べやバンドメンバーによる熾烈な演奏と相まって、その旋律が深く胸に染み入る。YOSHIKIはオーディション始動にあたって、「アジアが注目されている今だからこそ新しい“最強のジャンルレスグループ”を世界に送り出せれば嬉しいです」とコメントを残していた(※2)。一つのグループの中で、鮮やかにジャンルレスな姿勢を表す彼らの今後の活躍に注目したい。
龍宮城「RONDO」
最後に、女王蜂のアヴちゃんがプロデュースを手掛ける7人組グループ・龍宮城を紹介したい。彼らはオーディション企画『0年0組 -アヴちゃんの教室-』を経て誕生したグループであり、そのコンセプトはアヴちゃんいわく、「この世の中で音楽の1番深いところで、時間を忘れるくらい、忘れさせるくらいの表現を、ひたすらに追い求める オルタナティブ歌謡舞踊集団」(※2)である。そして、その特異なコンセプトを最も色濃く表しているのが、アヴちゃんが作詞作曲を手掛けたプレデビューシングル「RONDO」だ。女王蜂のリスナーであれば、一聴してこの曲のトラックに込められたアヴちゃん独自の濃厚な音楽性を感じ取ることができるだろう。逆に、龍宮城を通じて初めてアヴちゃんの音楽に触れるリスナーは、この曲が誇る妖艶で深遠な世界に圧倒されたのではないかと思う。プレデビューシングルにして、これほどまでにディープな表現を追求する点からはアヴちゃんの本気の姿勢が伝わってくるし、何より、アヴちゃんの歌唱法にリスペクトを払いながらも、独自の表現を目指す各メンバーの歌声に強く惹き込まれる。彼らが、世界を見渡しても前例も類似例も見つからないような、唯一無二のボーイズグループになることは間違いないだろう。
今回紹介した4グループはどれも今年デビュー予定の新人グループだが、どれもスキルが高いだけでなく独自の音楽性を持っていると言えるだろう。ボーイズグループのフェス出演が相次いでいることもあり、彼らが音楽シーンに与える影響は小さくなさそうだ。
※1:https://youtu.be/z4xicF9GDNU
※2:https://yoshikisuperstar.com/?appsule=120
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