矢吹奈子、アイドル人生の集大成として“HKT48の未来”に託した想い 指原莉乃、村重杏奈らも駆けつけた卒業コンサート

HKT48 矢吹奈子、アイドル人生の集大成

 ゲストには兒玉遥、田島芽瑠、朝長美桜、指原莉乃、村重杏奈が登場し、さらにスケジュールの都合で来日は叶わなかったものの、矢吹と一緒の時間を最も長く共にしたメンバーと言ってもいいSAKURA(LE SSERAFIM)からのビデオメッセージも届けられた。

 特筆すべきは握手会にやってきた矢吹にアイドルになることを勧め、母親のように可愛がり、時には厳しくあたってもきた「さしこちゃん」こと指原とのステージだ。楽曲は「君の名は希望」。2019年4月開催の指原の卒業コンサートで歌うことができなかった2人の心残りが、4年越しに晴れていく。そのタイトルは当時、IZ*ONEで活躍する矢吹に指原が送ったメッセージであると思われるが、こうして4年が経ち、矢吹の卒業コンサートで歌われることで、矢吹から指原に向けた「君の名は希望」という感謝のメッセージにも感じられた。指原をはじめ、レジェンドメンバーとなっている5人に後輩メンバーは恐縮しっぱなしだったが、指原が話していた、矢吹やほかの現役メンバーがHKT48を今まで「必死で守ってくれたから」こうしてステージで再会できるのだ、という言葉が忘れられない。

 ちなみに、指原は「最高かよ」でグループ最年少の石松結菜をロックオン。石松は現在11歳、HKT48結成から3カ月後に生まれたメンバーだ。彼女にとって指原は雲の上の存在とも言え、そんな指原との一瞬が永遠となって石松の思い出に、糧になっていくのかもしれない。

 矢吹のアイドル人生を締めくくったのは「12秒」。この日がHKT48にとって声出しが解禁となった記念すべきコンサートであり、ラストのいつまでも終わることのない「奈子ちゃん」コールに加え、矢吹が考案した定番の「よっ!」コールなど、グループのアンセムと化している「12秒」がラストというのも美しい幕切れだ。〈僕たちが手に入れた/この愛は輝いてる/まるで記憶の宝石/眩しすぎる/12秒〉というラストフレーズは、まさに矢吹の10年間、3437日を、ステージに広がる愛に溢れた光景を、言い表しているように思えた。

 HKT48を卒業後は俳優としての道に進んでいく矢吹。目指すポジションは、朝ドラヒロインだ。矢吹が卒業スピーチと会見の場で口にしていたのは、「私のことを応援していたことが誇りに思えるような活動をこれからもできたら」という思いだった。飽くなき野心を胸に、君はもっとできる。

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