reGretGirl、優しくも熱い万人の心に寄り添う音楽 現時点での集大成を見せた最新ツアー最終公演レポ

reGretGirlが見せた現時点の集大成

 reGretGirlが3月27日、東京・EX THEATER ROPPONGIにて、全国ツアー『reGretGirl  presents winter oneman tour 2023 "tear"』のファイナル公演を開催した。2月1日にリリースしたメジャー2ndフルアルバム『tear』に伴う今回のツアーでは、声出しがついに解禁。ファンの歓声や歌声と共に熱いライブを全国各地で繰り広げ、アルバムの楽曲たちを育ててきた。今回の公演では、アンコールも含め23曲を披露し、ツアーの集大成を見せた。

 週初めの月曜日にもかかわらず、タオルやTシャツなどのグッズを身につけたファンでフロアは満員。暗転と同時に拍手と歓声がわきおこると、ステージ後方のスクリーンには、ここまで積み重ねてきたツアーの様子がモノクロ映像で流れ始める。『tear』のジャケットのアートワークが描かれたバックドロップ幕が掲げられ、準備万端となったステージへ、ついにメンバーが登場。現れた平部雅洋(Vo/Gt)が勢いよく右手を高く上げると、歓声と拍手がさらに大きくなった。

reGretGirl

 ライブの幕あけは、前田将司(Dr)の叩く心地よいリズムから始まる「ギブとテイク」。観客たちは一斉に腕を高く上げ、会場には早くも一体感が生まれていく。軽快に歌う平部が「ツアーファイナルですよ! 楽しみにしてた? 盛り上がる準備できてる?」と問いかけると、大きな歓声が返ってきた。続いて披露されたのは、「best answer」。『tear』の流れをそのまま再現したようなセットリストにフロアはさらに湧き立つ。サポートメンバーによるキーボードとギターの音が重なり、厚みを増した音色で奏でるキャッチーなメロディは、観客たちの心を捕らえて離さない。十九川宗裕(Ba)がステージの前方まで駆け出していくと、下手のフロアは一斉に手を伸ばして盛り上がっていた。

 さらに疾走感あふれる「ルート26」で勢いを増し、そのまま「soak」へ。どこか温かみを感じさせる演奏と、芯の通った平部の歌声はどちらもとてもパワフルで、天井の高いEX THEATER ROPPONGIの会場が狭く思えるほどすさまじくエネルギッシュだ。平部が「でっかい声で歌うよ! 一緒に一つになろう!」と呼びかけると観客たちの大合唱が響きわたる。「今日一人で来たとか、そんなん気にすんなよ! 年齢も性別も関係ない。今日はみんなreGretGirl好きで来たんでしょ!」。間奏で平部が発したこの熱い言葉に救われた観客も多かったのではないだろうか。

 飾らないトークで等身大の姿を見せたMCのあとは、別れの痛みをエモーショナルに歌い上げる「ピアス」、戻れない過去を慈しむ「Shunari」、別れ話が始まってしまう瞬間を切り取った「車の中から」など、reGretGirl節全開の失恋ソングをさまざまな角度からリアルに表現していく。

 ここでサポートメンバーは一旦ステージを後にし、3ピース編成になるが、ライブの勢いが落ちることはない。爽やかなメロディと、〈黙って去っていかないように 鎖でつながっていたい〉と拗れた愛を描いた歌詞の対比が面白い「ハングオーバー」、遊び心あふれる歌詞で自己肯定感を高めてくれる「KAWAII」など、『tear』の中でも印象的な楽曲を次々に披露し、観客たちを楽しませていく。

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