YOASOBI「セブンティーン」がTikTokチャート首位に 複雑な展開を軽やかに駆け抜ける、スキルフルな歌とメロディ

 また、前述した“軽やかさ”は、YOASOBIサウンドの大きな魅力だが、それはikuraのボーカルがあってこそだ。YOASOBIの曲は、ワンフレーズの中で実はめまぐるしく変わる音程、速いBPMで刻まれるリズム、転調でのレンジの広さなど、ボーカリストとして求められることがとても多い。一瞬でも気を抜くと曲に置いていかれるだろうなと思わせるほど、スキルが必要な曲ばかりだ。そこをikuraは、毎回完璧に、そして軽々クリアしてくる。無邪気ささえ感じる華のある声音との相乗効果もあり、軽やかさが凄まじい。さらに、最近は短いフレーズの中で一音だけ強く発音するなど、エネルギッシュな表情も見せていたが、「セブンティーン」では、このアプローチがポイントで効いていて、いいフックになっている。

YOASOBI「セブンティーン」Official Music Video

 初のアリーナツアー開催、さらに4月24日には自身初のTikTokライブを行うことが発表されているYOASOBI。その成り立ちや曲作りのコンセプト、デジタルリリース曲のみ(CDリリースなし)で初めて『Billboard Japan Hot 100』年間総合首位を獲得した実績などから、革新的と言われ続けてきたが、今でもそこは変わらない。なぜなら、AyaseもikuraもしっかりYOASOBIをアップデートし続けているからだ。

 2023年、YOASOBIはどんなイノベーションを見せてくれるのだろう。楽しみでならない。

※1:https://www.billboard-japan.com/charts/detail?a=tiktok&year=2023&month=04&day=03

YOASOBI、初の海外ライブで変化した“世界”への意識 「夜に駆ける」から3年、挑戦の2022年を語る

「夜に駆ける」でのデビューから3年。活動期間の多くをコロナ禍とともにしてきたYOASOBIにとって、観客の前でライブを披露する機…

幾田りら、『Sketch』でさらけ出した裸の自分 “YOASOBIのボーカル ikura”とは異なるソングライターとしての顔

幾田りらが、初のアルバム『Sketch』をリリースした。ABEMA『今日、好きになりました。』主題歌「ロマンスの約束」・「スパー…

関連記事