NEWS、アルバム『音楽』続編で14作連続1位獲得 “愛され歌謡”のツボを押さえたヒロイズムによる楽曲
さらに、NEWS楽曲の特徴は記名性の強さ。前述したように1曲目は朗読のインタールードなので、6曲中3曲が作詞・作曲・編曲:ヒロイズム(her0ism)というのはかなり異例です。複数の作曲家やプロデューサーの手でヒットが作られていく現代の潮流とは異なるスタイルですね。ヒロイズムは専属作家ではなく、MISIAや乃木坂46、Kis-My-Ft2などの楽曲でもクレジットに名を連ねていますが、ことNEWSになると、作詞・作曲・編曲をまるごと一任されていることが多い。よほど相性がいいのでしょう。NEWSの楽曲ファンとは、すなわちヒロイズムのファンとも言えそうです。
愛され歌謡のツボを押さえるヒロイズムの楽曲は、とにかくノスタルジー喚起力が凄まじい。たとえば5曲目の「メモリーズ」。始まりは軽やかなギター、フィンガースナップのビートがちょっとオシャレで、Bメロに入ると譜割りが少し複雑になり、歌い手のリズム感が試されるところもあります。しかし、サビの〈wonderful memories your memories〉になると一気にエモーションが爆発。初めて聴く曲なのに「どこかで歌ったことがある気がする」と思うのは私だけではないはず。サビ終わりにある〈今日はただ星を見ていよう〉の三連符など、最近のポップスでは少なくなった手法ですが、しかし確実に知っている感じがする。うわぁ、これは抗えない!
前回のKAT-TUNでも書きましたが、若手の挑戦と冒険が目立っているジャニーズの中にあって、中堅グループによる熱唱歌謡はなかなかいいものですね。新しさだけが音楽の価値ではない。結成20周年となるNEWSの熱唱、しかと心に刻まれるものでした。