Snow Man、NEWS、東京スカパラダイスオーケストラ、Kep1er、JUJU……3月15日リリースの新譜5作をレビュー
毎週のリリース作の中から注目作品をレビューしていく連載「本日、フラゲ日!」。今回は3月15日リリースのSnow Man『タペストリー / W』、NEWS『音楽 -2nd Movement-』、東京スカパラダイスオーケストラ『JUNK or GEM』、Kep1er『FLY-BY』、JUJU『Bet On Me』の5作品をピックアップした。(編集部)
Snow Man『タペストリー / W』
『第37回日本ゴールドディスク大賞』で「アーティスト・オブ・ザ・イヤー(邦楽)」をはじめ計7賞を受賞するなど、名実ともに日本のトップアーティストに上り詰めつつあるSnow Man。前作『オレンジkiss』以来、8カ月ぶりのニューシングル『タペストリー / W』からも、現在の彼らの勢いが伝わってくる。目黒蓮の主演映画『わたしの幸せな結婚』主題歌「タペストリー」は、ラテンと歌謡が交じり合う郷愁を誘うメロディに乗せ、孤独を抱えた二人の恋愛物語を描き出す。アコギ、ピアノなどの生楽器とタイトな打ち込みのビートの対比も気持ちいい。「W」はドラマ『大病院占拠』(日本テレビ系)の主題歌。豪快なギターリフを軸にしたサウンドとともに、圧倒的な疾走感とポジティブなパワーに溢れたボーカルが広がる。(森)
NEWS『音楽 -2nd Movement-』
結成20周年イヤーの幕開けを飾る今作は、前作『音楽』の続編という位置付けの作品である。今作も、前作と同じように、加藤シゲアキが執筆した短編小説を松たか子が朗読する「"2nd Movement" -Interlude-」から幕を開ける。登場人物の“星”による「これからも歌い続ける。僕の内側に、音楽がある限り。」という宣言は、まさに3人の新たな所信表明のような響きを放っている。そしてその言葉を受けて実質的な1曲目の「A Real Man」へ。この曲における〈ありのままで行けよ〉という呼びかけに続けて、3人は〈一縷の望みでも挑んでいこう〉(「Tick-Tock」)、〈忘れないで/主役はいつも私(キミ)/共に歌おう〉(「ハレルヤ」)と渾身の言葉を届けていく。それはまるで、「20周年のその先へ、ともに行こう」という彼らからリスナーへのメッセージのよう。前作『音楽』が、今一度、自分たちにとって音楽とは何かを突き詰めた原点回帰的な作品であったように、今作においても3人は、音楽を介したコミュニケーションの素晴らしさとその可能性を懸命に伝えている。壮大なミュージカルテイストの楽曲、エッジの効いたロックサウンドを大胆に打ち出した楽曲、また、長年にわたりタッグを組み続けているヒロイズムが手がけた楽曲をはじめとしたバラエティ豊かな今作の楽曲たちが、ライブで披露される日が今から楽しみで仕方がない。(松本)
東京スカパラダイスオーケストラ『JUNK or GEM』
デビュー30周年を越え、制作とツアーを驚くべきハイペースで続けているスカパラの新作ミニアルバムのタイトルは、『JUNK or GEM』(“ガラクタか、お宝か”という意味)。軸になっているのは、ゲストを招いた3曲だ。未来に対する自由と希望をストレートに響かせる「Free Free Free feat.幾田りら」、揺れる恋心を映し出すリリックとドラマティックな旋律が一つになった「紋白蝶 feat.石原慎也(Saucy Dog)」、そして、思春期の恋の切なさ、淡さ、美しさを瑞々しく描き出した「青い春のエチュード feat.長屋晴子(緑黄色社会)」は、“管楽器3部作”(幾田/トランペット、石原/チューバ、長屋/トロンボーン)。3人のシンガーとしてはもちろん、管楽器奏者としてセンスを引き出すことで、刺激的かつ斬新なコラボレーションへと結びつけている。(森)