真田佑馬・諸星翔希・森田美勇人が7ORDERの音楽を語り尽くす バンド&ダンスの追求で確立した唯一無二のスタイル

 デビューから3年目に入った 7ORDERの3rdアルバム『DUAL』。二面性という意味を持つタイトルが示す通り、「バンド」と「ダンス」というふたつのパフォーマンスを自由自在に行き来する彼らならではの表現スタイルを存分に体感できる作品だ。

 メンバーのセルフプロデュースによる楽曲も収録し、7人の個性も豊かに反映している今作について、真田佑馬(Gt/Vo)、諸星翔希(Sax/Vo)、森田美勇人(Ba/Vo)が語ってくれた。(田中大)【最終ページに読者プレゼントあり】

「ダンス」と「バンド」のどちらも追求し続けるのが大切(真田)

諸星翔希、森田美勇人、真田佑馬

ーーアルバムの全体像は、何か具体的にイメージしていましたか?

真田佑馬(以下、真田):今までは「アルバムを作ってる」という感覚よりは、「ライブパフォーマンスを考えると、こういう曲が欲しいよね?」と考え出すことが多かったんです。でも今回は、「自分たちの曲にはどういうものがあって、どういう曲がこれから必要になってくるのか?」みたいな話を先にみんなでしてから制作にとりかかりました。マーケティングの分布図みたいなものを作りましたね。「ダンスの曲はこういうのが揃っていて、バンドサウンドの曲はこういうのが揃っていて」みたいに分析して、「じゃあ、自分たちの核となるダンスとバンドをどう表現していったらいいんだろうね?」と考えながら、それぞれの曲ができていった感じです。

森田美勇人(以下、森田):ビジュアルも含めて、スタイリッシュにしていきたいと話していました。そのイメージはサウンド感にも反映されましたし、今回のアルバムは全体的に統一感もあると思います。

諸星翔希(以下、諸星):今までアルバム制作にここまで時間を使ったことがなかったので、それも新鮮でした。あと、今回もさなぴー(真田)がマスタリングに立ち会って、曲間の秒数とか、細かいところまで考えてくれたんですけど、僕もそこに踏み込むのが個人的なテーマでした。「この音色ひとつで曲の全体像が変わるな。それによってアルバムの色も変わるかな?」とか、いろんな発見をすることもできたのが楽しかったです。

ーー「バンド」と「ダンス」というふたつの要素を行き来するパフォーマンススタイルを確立していることもよくわかるアルバムです。このスタイルを確立するまでには、かなりの試行錯誤がありましたよね?

森田:そうですね。「バンド」と「ダンス」を最初に合わせた曲はどれだったかな。

諸星:1曲にまとめたのは、「Get Gold」じゃない?

ーー僕、誰かにみなさんを紹介する際、公式YouTubeチャンネルの「Get Gold」の動画のURLを送っています。バンド演奏とダンスパフォーマンスによって絶妙に構成されている映像を観てもらうと、7ORDERの魅力を一気に感じてもらえるんです。

森田:ありがとうございます。そういう曲をまさに作りたかったんです。

7ORDER「Get Gold」Performance Practice【7LAB】

ーー7ORDERに関する前知識がない人が「Get Gold」を観ると、びっくりするのも面白いんですよ。キレのよいダンスを全員で踊った後、再びバンド演奏に戻る構成が見事です。

諸星:構成も試行錯誤がありました。「バンドサウンドからダンスサウンドに切り替わる」のを、音だけでもわかるようにしたかったので。

ーー全員で作った曲でしたよね?

諸星:はい。さなぴーがDTMで作ってくれて、「ダンスミュージックの音にするにはどうしようか?」とか話し合いましたね。

ーー全体の構成とメンバーの連携が見事です。シンセの同期サウンドを効果的に使って、バンドとダンスの行き来をドラマチックに繋げているので。

真田:かなりこだわりました。「曲間はこれくらいあればパフォーマンスをした時に転換できるだろう」と思っていても、やってみたら実は無理だったりもして(笑)。「めちゃめちゃバタバタしちゃうから、ここはもう少し延ばした方がいいよね?」とか、現場でやりながらみんなでディスカッションしました。

ーー全員のダンスパフォーマンスを観て「かっこいい!」となって、その直後に諸星さんのサックスソロが始まって、その間に全員がまた楽器を手にしてバンド演奏に戻る……っていうあの展開は、何度観てもワクワクします。

森田:ありがとうございます。各パートで強みがあるのは、やっぱり良いですよね。ダンスで前に出る人がいて、バンドではソロを弾ける人がいて、ラップができる人もいて、メンバーそれぞれに武器を持っているのが7ORDERなので。

ーー去年、九州のフェスで「Get Gold」をやった時、お客さんがざわついたらしいですね。

諸星:驚いてるって言うよりも戸惑ってました(笑)。

真田:7ORDERのことを知らないお客さんは、僕らのことをバンドマンだと思ってたでしょうからね。「バンドなのに、曲の途中で全員が楽器を置いて前に出てくるってどういうこと?」ってなったんだと思います(笑)。

諸星:そういう空気にしたかったんです。7ORDERのことを知らないお客さんがたくさんいるフェスに出る時、自己紹介できる曲にしたかったので。

ーーわかりやすく自己紹介できる曲は、今後も作っていきたいですよね?

真田:そうですね。でも、こういう名刺代わりになる曲も作りつつ、「ダンス」と「バンド」のどちらも追求し続けるのが大切なのかなと思っています。

森田:「Who I Am」は、両方が入った曲になる予定だよね?

真田:うん。

森田:「Get Gold」とはまた違ったサウンド感で「ダンス」と「バンド」の両方を取り入れながらパフォーマンスを仕上げていきたいので。「Get Gold」は熱さ重視だったので、「Who I Am」はそれとはまた別の感じになると思います。

真田:「Who I Am」は、イントロでいろいろ意見が割れました。「ベースから始まった方がいいんじゃないか?」っていうA&Rチームと、「7ORDERはイントロがある曲が少ないから入れたい」っていう僕の考えもあり(笑)。今のチャートはイントロが長い曲はあまりなくて、すぐに頭サビが来るのが主流ですけど、そこは考えずに作っちゃいました。でも、アルバム全体で聴くとイントロがあることでOverture的な意味合いにもなってるから、やっぱりこれで良かったのかなと思いました。

7ORDER「Who I Am」Music Video

ーー「Who I Am」の印象は、サウンドも含めて「夜明け」という感じがします。真田さんの作った曲を聴くと、「暗闇を抜け出して光を求めていく」というような姿が伝わってくることがよくあるんですが、ご自身ではどのように思います?

真田:おっしゃる通りなんだと思います。僕、改めて7ORDERの歌詞をいろいろ見てみたんですけど、「伝えたいことは、意外とずっと間違ってない」と感じたんです。そういう統一性は、ひとつのカラーとして持ってもいいのかなと思いました。

諸星:さなぴーはデモの段階からクオリティが、どんどん上がってます。「Who I Am」も聴いた時に驚きましたからね。1音聴いた瞬間に「クオリティ、高!」って(笑)。DTMのツールの使い方も、どんどんレベルアップしてます。

森田:DTMは、始めてから3年くらい?

真田:7ORDERを始めたのと同じくらいだから、4年くらいかな?

ーーバンド全体を俯瞰で捉えて、サウンドプロデュースができるようになっている真田さんの存在は、心強いものがありますよね?

森田:はい。7ORDERはメンバー各々がそれぞれの道を走って行くスタイルですけど、全体を見てプロデュースすることに関して、さなぴーはすごく長けてるんです。

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