桐山照史&神山智洋、重岡大毅&藤井流星……ジャニーズWEST『POWER』ユニット曲に注目 少人数だからこそ映える表現力
3月1日に9作目となるアルバム『POWER』をリリースしたジャニーズWEST。リリース直前まで頻繁にTikTokを配信するなど、ジャス民(ジャニーズWESTファンの総称)を中心に盛り上がりを見せていた。同アルバムにはタイトルチューンの「POWER」をはじめ、中毒性の高い「膝銀座」など話題曲が満載であるが、今回は初回盤Bに収録されたユニット曲に着目したい。
「真っ直ぐ」(桐山照史・神山智洋)
3月18日に放送されるバラエティ特番『沖縄vs北海道 お宝リサーチ!街録王』(カンテレ)での沖縄ロケでもペアを組む桐山照史と神山智洋の“きりかみ”コンビ。今回のアルバムで2人が挑戦したのが中島美嘉「雪の華」や、ジャニーズWEST「ボクら」も手がけた松本良喜作曲、シンガーソングライターとしての経歴を持つティーナ・カリーナの作詞による「真っ直ぐ」。切ない別れを歌うバラードで、2人の美しい高音が印象的。アカペラから始まり、上下を入れ替えながらのハモリなど、歌唱力に定評のある2人のテクニックを存分に堪能できる。情感がこもったアプローチが聴く人の心に文字通り“真っ直ぐ”に刺さる一曲。夢を追いかけるために別れを切り出した相手に対する凜とした思いが美しくも切ない。バラエティでは人懐っこさ全開でいじられキャラの桐山と、自身も楽曲制作や、振り付けを担当するなど、クリエイティブ面でも才能を発揮している神山がタッグを組むことで、新たな魅力を開花させた印象だ。
「ぼくらしく」(重岡大毅・藤井流星)
俳優としても活躍の幅を広げているジャニーズWESTのセンター・重岡大毅と、ライブの演出を手がける藤井流星の“しげりゅせ”コンビが挑んだのは、シンガーソングライターとして音楽ファンから熱い支持を得る竹原ピストルによる「ぼくらしく」。竹原が単独で楽曲を提供するのは同曲が初めてという、記念すべき楽曲ともなった。当初、筆者は楽曲提供アーティストに竹原がいたことにも驚いたが、重岡と藤井というある種真逆のキャラクターの2人のユニット曲であると知りさらに驚いた。自身も作詞作曲を手がける重岡は、力強い楽曲を熱くパフォーマンスすることで知られているが、藤井はスタイリッシュでクールな楽曲を得意とするイメージであった。しかし蓋を開けてみると、藤井のボーカルが竹原の直球な楽曲を的確に捉えて歌唱していることに感動を覚えた。同じ日にジャニーズのオーディションを受け、同期として関西でジャニーズJr.時代を過ごし、時を経てに成長した2人。大人になっても悩みながら前に進もうとする心情を綴る同曲は、櫻井翔の言葉を引用すればまさに“エモエモのエモ”である。