BSS「Fighting」、鮮やかな声色でバイラルチャート首位に 次章へ進むためのポジティブなメッセージソング

 Spotifyの「Daily Viral Songs (Japan)」は、最もストリーミング再生された曲をランク付けした「Spotify Top Songs」とは異なり、純粋にファンが聴いて共感共有した音楽のデータを示す指標を元に作られたランキング。同チャートの3月1日付のTOP10は以下の通り(※1)。

1位:BSS「Fighting (feat. Lee Young Ji)」
2位:B2S, Koala「真的没喝多」
3位:XAN「SKI MASK」
4位:Ame lil melo「slow down (feat. LUSH CARABINER)」
5位:WOLF HOWL HARMONY「LOVE RED」
6位:BOYS PLANET「Here I Am」
7位:新しい学校のリーダーズ「オトナブルー」
8位:PinkPantheress & Ice Spice「Boy's a liar Pt. 2」
9位:スーパー島田ブラザーズ,OTUY PARK「Fuckin' Good」
10位:Stray Kids「THE SOUND」

 今週は、1位を獲得したBSS「Fighting (Feat. Lee Young Ji)」を取り上げる。BSS(ブソクスン)は、香取慎吾とのコラボレーション曲「BETTING」(草彅剛主演フジテレビ系ドラマ『罠の戦争』主題歌)もヒット中の韓国の13人組ボーイズグループ SEVENTEENのメンバー3人によるユニットである。

 セブチの愛称で知られるSEVENTEENは、ボーカルチーム(5名)、ヒップホップチーム(4名)、パフォーマンスチーム(4名)という3チームから構成され、楽曲制作、振付、MV制作、コンサートのセットリスト決めまで自ら行っている。また、楽曲提供や他アーティストとのコラボレーションも多く、近年はメンバー監修のオリジナルグッズの展開や、自身でWebバラエティ番組の制作も手掛けるなど、クリエイティブ集団という印象も強い。前述した3チーム内でのユニット曲も多く、楽曲群が非常にバラエティに富んでいるのも特徴である。さらに特筆すべきは、この数年でアーティストのプロモーションの大きな肝になりつつあるプレデビューシステムをいち早く取り入れ、デビュー前から3チームが作られていく過程、トレーニングやメンバーの日常をインターネット上で公開したことだろう。2012年から『SEVENTEEN TV』として生放送されたこの手法は、視聴者からも音楽シーンからも大きな注目を集めた。

 BSSを構成するのは、ホシ(パフォーマンスチーム)、DK(ボーカルチーム)、スングァン(ボーカルチーム)の3人。「Fighting (Feat. Lee Young Ji)」はBSSが5年ぶりにリリースした作品『SECOND WIND』(2月6日発売)に収録された1曲だ。

 同作は、発売当日から本国のヒットチャートの上位を席捲。発売から7日間で61万枚超えの売上を記録し、K-POPアーティストのユニット初動歴代1位を記録。日本では2月15日付のBillboard JAPAN総合ソング・チャートJapan Hot 100で、初登場で総合首位を獲得した。Spotifyのデイリーバイラルチャートでも「Fighting (Feat. Lee Young Ji)」が2月27日に初登場1位となったほか、収録曲の「7PM (Feat. Peder Elias)」も上位にランクイン。さらにSpotifyでの再生回数も「Fighting (Feat. Lee Young Ji)」の1300万回超えを筆頭に、「7PM (Feat. Peder Elias)」が650万回超え、「LUNCH」280万回超えと、リリースから約1カ月で驚異的な伸びを見せている(3月6日現在)。彼らが今、どれだけシーンにおいてホットな存在なのかがわかるアクションだ。

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