BTSやLE SSERAFIMなどK-POPスターを多数輩出する“二大芸能学校”とは? 韓国芸能の基礎を作る教育の独自性

 近年のK-POPシーンを盛り上げている、“第4世代”のアイドルたち。主に2000年代生まれのメンバーで構成される第4世代のグループには、芸能活動と並行して学業を修めている者も少なくない。そんな学生アイドルの多くが通う芸能高校は、ファンの間でも周知の存在となっている。本稿では、その中でも“二大芸能学校”として有名な「ハンリム(翰林)演芸芸術高等学校」(以下、ハンリム高校)と「ソウル公演芸術高校」を中心に取り上げ、紹介する。

 二校に共通する特徴として挙げられるのは、芸能事務所やテレビ局本社などが集中するソウルに居を構える点、そしてK-POPアイドルとしては“実践的”とも言える、現代的な音楽やモダンダンスなどを専門とするカリキュラムが設けられている点などだ。一方、各校にはそれぞれにしかない独自性も見られる。

 まず2009年に開設されたハンリム高校は、SHINee・TAEMIN、SEVENTEEN・WOOZI、Red Velvet・YERI、TWICE・DAHYUN、CHAEYOUNG、TZUYU、LE SSERAFIM・KIM CHAEWON(在籍当時IZ*ONE)、TOMORROW X TOGETHER・BEOMGYU、HUENINGKAI、TAEHYUNらを輩出したことで知られる。

 芸能科、実用舞踊科、実用音楽科、ファッションモデル科、映像制作科、そしてミュージカル科の6コースがあることが特徴。実用舞踊科では、“純粋舞踊”と称されるモダンダンス、バレエ、韓国伝統舞踊などのほか、ポッピン、ロック、ヒップホップなどのストリートダンスのカリキュラムが設けられている。また、ミュージカルに特化した学科が設置されていることも韓国の高校ではレアケースとなっている。入学試験において、最も難関とされている学科は実用音楽科のボーカル専攻。その入学倍率は40倍で、実技試験によって合否が判定されるそうだ。

 ハンリム高校における最大の強みは、大手芸能事務所と太いパイプを持っている点。校内では定期的にオーディションが開催されているほか、ドラマや映画などのキャスティング推薦にも積極的だ。他にも、未成年である生徒のギャラ交渉や契約を代行するなどのサポートも行っている(※1)。芸能学校ならではのノウハウは、生徒の円滑な芸能活動のために活用されているということだ。

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