reGretGirl、失恋を歌うバンドが行き着いた“涙”の新境地 「今まで歌ってきたことを捨てるわけではない」

reGretGirl、行き着いた“涙”の新境地

「今までのreGretGirlの活動の集大成になっている」(平部)

reGretGirl「tear」Official Music VIdeo

ーーreGretGirlは「失恋を歌うバンド」みたいな見え方や、逆にそうじゃないところにあえて行ってみようとしたりとか、いろんな振れ幅があったと思うんです。でもそれも全部ひっくるめて「いや、『tear』なんですよ」みたいな、腰の据わった感じはありますよね。

平部:まあ、ブレてきたつもりはないですけど、やっぱり僕たちはバンドをずっと長くやっていきたいので、その上ではいろいろなことに挑戦したいし、だからといって今まで歌ってきたことを捨てるわけではない。そういう意味で、行き着くのがこういうテーマなんだと思うんです。この『tear』という作品は、そういう意味で今までのreGretGirlの活動の集大成になっているなと思います。

ーー「ルックバック」とか「車の中から」のような、reGretGirlの王道といえる失恋ソングもあるし、そうじゃない曲もあるし。全体像でこのバンドを物語るアルバムになりましたね。僕、この「車の中から」も好きなんですよ。

平部:ええ曲ですよね(笑)。

ーーこれ、曲の途中で男性の視点と女性の視点が切り替わるじゃないですか。そういう書き方ってこれまでしていましたっけ?

平部:これはたぶん初めてやりましたね。なんで今までやってなかったのかもわからないぐらい、自然に書けたんですけど。この「ルックバック」「車の中から」「サンシャワー」は3つで1つの物語のように書いたので、その中で「ルックバック」が男性目線で「サンシャワー」は女性目線、その間に入る「車の中から」は前半と後半で男と女で分けようと思って。曲の構成もAメロ、Bメロ、サビというのを2回繰り返す感じにして、対比するように作った記憶があります。

ーーすごくコンセプチュアルに書いたわけですね。これまで失恋を歌うときって、平部くんは男性目線だろうと女性目線だろうと一人称で書いていたと思うんです。でもこれは違う。まさに映画のような引いた視点で情景を捉えている。

平部:なんか僕も、次の次元の失恋に入り始めた感じがします。

ーー「次の次元の失恋」?

十九川:(笑)。

平部:今までは自分の経験でしか書けなかったんですけど、まさに1個引いて……自分の経験をもとにではあるんですけど、書けるようになったというのはなんか新しい次元に行っているなって今、思いましたね。ソングライターとして成長したと思います。

ーーそしてタイトルトラックでもある最後の「tear」がすばらしい曲で。これはいつ頃どのようにできた曲だったんですか?

平部:これはアルバムの中で最後にできた曲なんですけど、このテーマに関しては何年も歌いたいなと思っていたもので。歌詞にもちょっと書いてるんですけど、僕は数年前に友人を亡くしていて、その友人に向けた歌を書きたいなとずっと思っていたんです。でもそんな矢先にコロナになったり、自分自身のことで精いっぱいでうまく消化しきれなかったんですけど、ここにきて彼に向けていい曲ができたなって思います。といっても、僕自身の歌でもあるので、そいつのためだけにという感じじゃないんですけど。本当に自分は人になったんだなとこの曲ができたときに思いました。

ーーなるほど。いろいろな巡り合わせで今になったけど、結果として今だから書けた曲でもある気がしますね。

平部:そうですね。書きたいなと思っていたところに自然とはまってきた感じがあったので。亡くなった友達についての曲というだけに収まっていないので、肩の力を抜いて書けたというか、重たくなりすぎず、大きなテーマを背負わせることができたなと思います。

ーー最後のサビのところは全員で歌っているんですか?

平部:はい。スタッフ含めブースに7人ぐらい入って。ほんまはもっと人数集めて大合唱感を出したかったんですけど、そんなに急に人は集まらなくて(笑)。メンバーとスタッフで歌ったのを何回も録って重ねるみたいなことをして、ほんまは30人ぐらいで歌いたかった。

十九川:ライブの会場でぜひそうなればいいですけどね。

前田将司
前田将司

ーーそうですね。すごく個人的な思いから出発してるけど、でもメッセージになってるし、みんなで歌おうぜっていう曲になっている。これまでと入り口は同じかもしれないけど、出口が全然違っている感じがします。あと、今作の歌詞でいうと、言葉を選ばないで言うとわりとダサい部分みたいなところも率直に書いている感じがしたんですけど。

平部:なんかあんまり飾らないというか、もちろん飾っている部分もあるんですけど、飾りすぎないようになったというか、昔からやっていたことがどんどん研ぎ澄まされている感じがします。今までは誰かに似ているとか、何々に影響を受けて書いていたみたいなのが多かったですけど、それをしっかり自分の言葉にできるようになってきたと思っていて。ずっと昔から思ってはいたんですけど、たとえば「愛している」という言葉を誰がどんなメロディで歌うかっていうのはすごく重要なんですよね。どこかで聞いたことある言葉でも、僕が歌うことによって僕の言葉にできる自信というのが少しついてきたんだと思います。

ーー自分がなんで書いてるのかとか、なんで歌ってるのかとか、何を書きたいのかとか、そういうことに対してもちゃんと考えて、ただ感情のままに書き殴るのではない感じになってきてる感じがしますよね。

平部:そうですね。なんというか、感覚とか雰囲気だけで曲を書かなくなってきたというか。昔はそれこそ勢いでやっていたところはあるんですけど、それがどんどんなくなってきているし、しかもそれが全然悪く作用していないというか。新しい自分たちにどんどん出会えていっているので、このまま大人になっていきたいなと思います。

ーーそんなアルバムを引っ提げて、ワンマンツアーも始まります。

平部:はい。久しぶりのワンマンツアー、1年ぶりぐらいかな? ……そう思うとそんなに久しぶりじゃない(笑)。2022年にライブをしすぎて感覚がおかしくなっているのかも。

十九川:でも、しっかりワンマンで回るっていうのは久しぶりじゃない?

平部:確かに15本もワンマンをするっていうのは初めてなので。2022年はやっぱ我々にとって修行みたいなところがあったので、今はライブにはわりと自信がついてきていて。みんなも期待してくれて大丈夫かなと思います。今回5人体制で回るんですけど、3のよさも5のよさも感じられるツアーになるんじゃないかなって。マジで期待してくれて大丈夫です。

十九川:ハードルを上げていく(笑)。

前田:勝手にハードルを上げられたので、飛び越えられるように頑張ります(笑)。

十九川:曲も出揃ったし、あとはいい演奏するだけなんで。2022年でもしっかり自信もついたんで、今は楽しみなだけですね。

■リリース情報
メジャー2ndフルアルバム『tear』
発売中
tear box盤[CD+DVD+tearオリジナルハンカチーフ]
¥4,840(税込)
通常盤[CD]
¥3,080(税込)
商品購入ページ:https://lit.link/reGretGirl

1. ギブとテイク
2. best answer
3. サムデイルーザー
4. ダレヨリ (Album Ver.)
5. KAWAII
6. winter
7. ルックバック
8. 車の中から
9. サンシャワー
10. ハングオーバー
11. remind
12. tear

[tear box盤DVD]
連続動画企画「Music Video & Story "煙の行方"」ディレクターズ・カット版&メンバー・キャストによる座談会&収録曲6曲のMusic Video

■ライブ情報
『reGretGirl presents winter oneman tour 2023 “tear”』
2023.2.18 (土) 札幌 PENNY LANE 24
2023.2.22 (水) HEAVEN'S ROCK 宇都宮 VJ-2
2023.2.23 (木・祝) 仙台 Rensa
2023.2.25 (土) 長野CLUB JUNK BOX
2023.2.26 (日) 名古屋 DIAMOND HALL
2023.2.28 (火) KYOTO MUSE
2023.3.02 (木) HEAVEN'S ROCK さいたま新都心 VJ-3
2023.3.04 (土) 高松DIME
2023.3.05 (日) 広島SECOND CRUTCH
2023.3.11 (土) 新潟GOLDEN PIGS RED STAGE
2023.3.12 (日) 金沢EIGHT HALL
2023.3.15 (水) Live House 浜松窓枠
2023.3.17 (金) 福岡 DRUM LOGOS
2023.3.19 (日) BIGCAT
2023.3.27 (月) EX THEATER ROPPONGI
詳細:https://www.regretgirl.com/live

Official Web Site: https://www.regretgirl.com/
Twitter: https://twitter.com/rgg_official
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TikTok: https://www.tiktok.com/@regretgirl_official

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