ハンブレッダーズ ムツムロ アキラの描く歌詞がリスナーの心を射抜く理由 『またね / THE SONG』を軸に紐解く

ハンブレッダーズの歌詞の魅力に迫る

 その2枚のアルバムを経てのニューシングル『またね / THE SONG』は両A面であり、アニメ『BORUTO-ボルト-NARUTO NEXT GENERATIONS』(テレビ東京系)エンディングテーマとして書き下ろしたタイアップソング「またね」と、ノンタイアップソングの「THE SONG」が並ぶ。お題を活かす、衝動を活かす、その両方が完璧にできている2曲だ。

ハンブレッダーズ「またね」Music Video | アニメ「BORUTO-ボルト- NARUTO NEXT GENERATIONS」エンディングテーマ

「タイアップは大喜利だと思っているので、みんなwin-winな状態で、どこまで自分のカラーを出せるかですよね。ノンタイアップは、その時に思っていることを衝動的に記す感じですね。そもそも歌詞を考える上での導入が右脳と左脳で別なのかもと最近は思っています」

 特筆すべきは、いわゆるポップスとヒップホップではないが、大衆性と衝動性を感じる言葉を意識した上で、自然に2曲として書き分けられていることである。

「『またね』は1番でいつもより抽象的な歌詞を書いた気がして、だから2番でフォーカスをグッと絞った情景描写をして、トータルのバランスを取りました。昔は写実的に歌詞を書きすぎるとリスナーの想像の余地を奪ってしまうんじゃないかと思ってたんです。でも、例えば〈東京〉と言っても全員が想像するものは異なるし、最近では小説でも固有名詞を多用してるし、もう逆にどんどん出しちゃおうと思ってます。『THE SONG』は、〈これっぽっち〉〈戦闘機〉〈絶好調〉〈ヘッドフォン〉で、メロディに完璧にマッチした韻を踏めたのが書いてて気持ち良かったです」

 ポップスとヒップホップを踏まえて、ハンブレッダーズにしか鳴らせないロックンロールが鳴らされている。何よりも、それがラブソングなのも嬉しい。もちろん、軽薄な愛や恋ではなく、誠実でリアリティがあって、世の中にありふれていない独自の言葉でラブソングが描かれている。

〈君がさよならを言いたいなら/僕がまたねを付け足す/友達になれないはずなんてないだろ!〉(「またね」)

〈これといった不満はなくて/だけどテンション上がらなくて/毎日ほんのりと鬱なら/あいらぶゆーをあげるよ/つべこべ言うな受け取れ/先行投資してやる ヘッドフォンをしろ!〉(「THE SONG」)

「なるべく他人が書かなさそうなアイラブユーの言い方を探しています」

ハンブレッダーズ(写真=タマイシンゴ)
(写真=タマイシンゴ)

 ムツムロ アキラは、誰もが書かないアイラブユーの言い方をすでに発見できている。だからこそ、気の早い話で申し訳ないが、ハンブレッダーズの4枚目のフルアルバムが早くも聴きたくてたまらない。

ハンブレッダーズ『またね / THE SONG』
ハンブレッダーズ『またね / THE SONG』

■リリース情報
3rdシングル『またね / THE SONG』
2023年2月8日(水)リリース
通常盤[CD]TFCC-89759 / ¥1,400(税込)※初回生産分のみ紙ジャケ、終了次第クリアケースに切替
期間生産限定盤[CD]TFCC-89760 / ¥1,400(税込)※アニメ描き下ろし絵柄、クリアケース仕様
https://lnk.to/humbreaders_matane_thesong

<収録曲>
01. またね ※テレビ東京系アニメーション「BORUTO-ボルト- NARUTO NEXT GENERATIONS」エンディングテーマ
02. THE SONG
03. DAY DREAM BEAT(アコースティックver.)
04. ギター(アコースティックver.)

■関連リンク
ハンブレッダーズオフィシャルサイト
https://humbreaders.com/
ハンブレッダーズ | TOY'S FACTORY
https://www.toysfactory.co.jp/artist/humbreaders/


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