おいしくるメロンパン 峯岸翔雪、ハンブレッダーズ でらし……印象的なライブパフォーマンスで沸かすベーシストたちに注目
「ライブパフォーマンスが印象的なベーシスト」と聞いて、誰を思い浮かべるだろうか。もはや「動き回るベーシスト」の代名詞とも言える、UNISON SQUARE GARDENの田淵智也や、「ストラップは誰よりも短く、脚は誰よりも高く」をテーマに掲げ、足上げの動きが特徴的なTHE ORAL CIGARETTESのあきらかにあきらの名を挙げる人も多いだろう。しかし、パフォーマンスが印象的なベーシストはまだまだ存在する。今回は様々な表現法で会場を魅了するベーシストたちを紹介したい。
おいしくるメロンパン 峯岸翔雪
活動開始から1年足らずで『ROCK IN JAPAN FESTIVAL』への出演を果たし、躍進し続ける、おいしくるメロンパン。春に行ったワンマンツアーのファイナルでは初のZepp DiverCity公演を成功させた彼らのベースを担当する峯岸のパフォーマンスは、サウンドに身体を委ねている印象がある。
「架空船」の前半はあまり身体は動かさず淡々と弾いているが、サビ前の間奏から身体をダイナミックに動かしはじめる。歩くわけでもなく、ステップを踏むわけでもなく、身体が勝手に動いてしまっているという表現がぴったりなように思う。落ち着いた曲調のシーンでは動かず、曲の盛り上がりに合わせて動く範囲が大きくなっていく様は、自分が目立ちたいという欲求や客席を盛り上げなければという使命感は感じられず、ただ純粋に鳴らしている音楽に合わせて身体が動いているようだ。また曲によってはリズミカルに動き、飛び跳ねるシーンが見られる場合もある。おいしくるメロンパンのライブに行った際には、峯岸が曲をどのように体現しているかも、ぜひ注目してほしい。
ハンブレッダーズ でらし
昨年2020年にメジャーデビューを果たし、先月7月にはTVアニメ『迷宮ブラックカンパニー』のエンディング主題歌として書き下ろした「ワールドイズマイン」が2ndシングルとしてリリースされるなど、ますます注目を集めているバンド、ハンブレッダーズ。そのベースを務めるでらしのライブパフォーマンスでは、とにかく動き回り、飛びまくる。
「COLORS」の曲が始まり、イントロから繰り返しジャンプを披露するでらし。Aメロでは歩きながらのベースプレイもあり、気持ちが高揚しているのが伝わってくる。サビ直前で曲が盛り上がってくると同時に再びジャンプしたり、間奏では頭を大きく振ったりと、あらゆる動きを見せる。一方「ライブハウスで会おうぜ」では、あまり飛び跳ねたり、激しく動き回るような素振りはない。だがしかし最後の最後、アウトロの部分でベースを最大限に持ち上げたあと、大胆にステージに倒れ込んでいる。この日のライブのラストの曲が終わり、やり切ったことを体現している瞬間だ。インディーズからメジャーへとフィールドが移っても、ベースサウンドだけでなく、全身で自分たちの音楽を表現しようと心意気は変わっていないのだろう。