LE SSERAFIM、日本デビューシングルが圧倒的差で首位に グローバルな制作陣によって生まれた“引き算の美学”

参照:https://www.oricon.co.jp/music/rankinglab/js/2023-02-06/

 2月6日付のオリコン週間シングルランキングによると、LE SSERAFIMの『FEARLESS』が222,286枚を売り上げて1位を記録。そしてAKB48の『久しぶりのリップグロス』が12,132枚で2位、METAMUSEの『メタメメント』が9,832枚で3位と続き、LE SSERAFIMが他に大幅な差をつけて首位に立った週であった。

 HYBE傘下レーベル・SOURCE MUSIC所属のLE SSERAFIMは日本人2人を含む韓国発5人組グループで、昨年末には『第73回NHK紅白歌合戦』にも出場を果たした今最も勢いのあるK-POPグループの一つ。『FEARLESS』は日本でのデビューシングルで、昨年5月に韓国でリリースされた同名タイトルのデビュー曲の日本語バージョンが収録されている。

 表題曲は、重厚感のあるベースラインを下地に展開される抑制の効いたサウンドの中で、ループの多い呪文のようなリリックが病みつきになる一曲。ダウナーなムードで満ちていながらも終始ストイックなグルーヴ感があり、低いトーンを保つボーカルで聴かせるという挑戦的な作りを見せている。どこかミステリアスで妖しげな雰囲気を持ち、明るさよりは暗さを重視するという、すべてがポップスの王道の逆を行くような作品だ。

LE SSERAFIM (르세라핌) 'FEARLESS -Japanese ver.-' OFFICIAL M/V

 一方で、作詞や作曲には多くの面々が参加しており、現代のコライト文化の象徴のような制作がなされていると想像できる。プロデュースはHYBE議長 パン・シヒョクのほか韓国の制作チーム“13”が担当し、そのメンバーであるSCOREとMEGATONEがクレジットされている。この2人は過去にIZ*ONE「O Sole Mio」や、GFRIEND「Better Me」「지금 만나러 갑니다 (Eclipse)」といった作品でも共作しており、JO1の「Stargazer」や「Born To Be Wild」でも作詞作曲に参加した新進気鋭のプロデューサー陣。また、かつてBTSの候補生でもあり、その後BTSの諸作に制作で参加しているSupreme Boiも関わっている。その他、EXOやENHYPENをはじめ、King & Princeなど多くのK-POP/J-POPを手掛けてきたカイラー・ニコも参加しており、非常にグローバルな制作陣によって生み出された一曲だと言える。

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