Spotify、2022年年間ランキング分析 J-POP/グローバルポップミュージックシーンに生まれる新たな広がり

Spotify、年間ランキング分析2022

国内で最も再生されたアーティスト

1.BTS
2.Official髭男dism
3.YOASOBI
4.Ado
5.優里
6.Vaundy
7.back number
8.King Gnu
9.TWICE
10.Saucy Dog

国内で最も再生された楽曲

1.W/X/Y/Tani Yuuki
2.シンデレラボーイ/Saucy Dog
3.ベテルギウス/優里
4.なんでもないよ、/マカロニえんぴつ
5.ドライフラワー/優里
6.水平線/back number
7.残響散歌/Aimer
8.新時代/Ado
9.きらり/藤井 風
10.シャッター/優里

 日本に目を向けると、「国内で最も再生されたアーティスト」ランキングでは、1位BTS、2位Official髭男dism、3位YOASOBIと人気アーティストが順当に上位に並ぶ。一方でやや意外な結果となったのが「国内で最も再生された楽曲」ランキングだ。映画『ONE PIECE FILM RED』と共に大きな話題を呼んだAdo「新時代」やテレビアニメ『鬼滅の刃』遊郭編オープニングテーマに起用されたAimer「残響散歌」などの話題曲を上回り、1位はTani Yuukiの「W/X/Y」。昨年5月リリースの曲ながら、今年に入ってTikTokで人気が広がり、長く聴かれ続けたことがこの結果に結びついた。2位はSaucy Dog「シンデレラボーイ」。3位は優里「ベテルギウス」、4位はマカロニえんぴつ「なんでもないよ、」、5位は優里「ドライフラワー」と続く。明らかに世代交代を反映したランキング結果だ。「ベテルギウス」を除いてノンタイアップの曲が上位に並んでいること、そしてラブソングが上位を占めていることも興味深い。

 そういったことからも、あいみょんやOfficial髭男dismがブレイクした2010年代後半、YOASOBIやAdoが世に登場し脚光を浴びたコロナ禍中の2020年代初頭からも、少しずつ時代のムードが切り替わってきていることが窺える。

国内で最も再生されたSpotify公式プレイリスト

1.令和ポップス
2.Tokyo Super Hits!
3.Hot Hits Japan
4.This Is BTS
5.平成ポップヒストリー

 その背景として、Spotifyはプレイリストがリスニング傾向を左右するプラットフォームであるということも言えるのかもしれない。

 「国内で最も再生されたSpotify公式プレイリスト」のランキングを見ると、1位は「令和ポップス」。2位と3位にも「Tokyo Super Hits!」や「Hot Hits Japan」といったヒットチャート系のプレイリストが並んでいるのだが、「令和ポップス」の選曲傾向はまさに新しい世代のヒットソングをピックアップしていること。「国内で最も再生された楽曲」上位の曲もプレイリストに多く選ばれている。

 こうしてSpotifyのランキングを様々な切り口で見ていくと、変化の渦中にある音楽シーンの様相が明らかになる。来年につながるような動きもすでに見えてきている。引き続き追っていきたい。

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