コブクロ、結成25周年へと向かう新たな旅路 2022年の最新形を提示した全国ツアー『GLORY DAYS』

コブクロ、結成25周年へと向かう新たな旅路

 コブクロの全国アリーナツアー『KOBUKURO LIVE TOUR 2022“GLORY DAYS”』が12月11日、マリンメッセ福岡でファイナルを迎えた。

 10月22日に三重県営サンアリーナからはじまった今回のツアー。キャリアを代表する名曲、ヒット曲だけではなく、未発表の新曲を取り入れることによって黒田俊介、小渕健太郎は、“2022年のコブクロ”を強く印象付けた。(本稿では11月20日に行われた、さいたまスーパーアリーナ公演をレポート)

コブクロのライブ写真
黒田俊介

 “GLORY DAYS“と記された円形のロゴがステージ上で青く光り、クラシカルなSEが流れるなか、黒田、小渕、バンドメンバーが登場。大きな拍手が巻き起こるなかコブクロは、ツアータイトルにちなんだ新曲「Mr.GLORY」からライブをスタートさせた。心地よいテンポ感、弾むようなメロディ、〈Mr.GLORY そのドアを開ければ あなたに会える〉という歌詞が響き合い、前向きで開放的な空気が広がっていく。観客が手首に巻いたLED付きリストバンドが青い光を放ち(黒田も同じリストバンドを着用)、ナチュラルな一体感が生まれた。さらに「今、咲き誇る花たちよ」へ。異国情緒をたたえた旋律とともにオーディエンスの背中を押す言葉が真っ直ぐに伝わり、さいたまスーパーアリーナは早くも大きな感動で包まれた。

 黒田、小渕はアリーナの両サイドに設置された花道に進み、改めて自己紹介。
 
黒田「今まで1回も本気出したことないけど、今日は本気出そうかなと思って」

小渕「ややこしいこと言うでしょ?(笑)でも黒田さん、楽屋からずっとテンション高いんですよ」

黒田「小渕、楽屋でずっとTUBEさんの曲歌ってたんですよ(笑)」

小渕「真夏の気分で、テンション上げて、最高のライブを届けます!(笑)」

 というリラックスしたトークも楽しい。

コブクロのライブ写真
小渕健太郎

 
 さらにバンドメンバー(山口寛雄/Ba 渡嘉敷祐一/Dr、坂井”Lambsy”秀彰/Per、松浦基悦/Key、福原将宜/Gt、漆原直美/Vn1、藤縄陽子/Vn2、渡邉智生/Va、原口梓/Vc)を紹介し、「最後のメンバーは、お客さんです!」(小渕)と笑顔で語り掛けた後、「流星」「ベテルギウス」を披露。「ベテルギウス」はロックテイスト強めにリアレンジされ、楽曲の新たな魅力を引き出していた。続く「Always(laughing with you.)」は黒田、小渕の生い立ちと出会い、コブクロの軌跡をモチーフにした楽曲。“大切な1人”に届けるように歌を紡ぎ、リスナー一人ひとりと向き合ってきた先に、この光景があるーー二人のストーリー、そして観客との関係性を描いた同曲はライブ前半のハイライトだったと思う。

 ここで小渕は観客に着席するように促し、切なさ、愛らしさに溢れたラブソング「恋心」、長く“未音源化の名曲”として知られてきた「恋愛観測」を演奏。すべての旋律、すべての言葉を手渡すようなボーカル/ハーモニーも心に残る。大切に、丁寧に、心を込めてリスナーに届ける。そんな真っ当な姿勢もまた、コブクロが長く支持され続けている理由だろう。

 この日のライブにおける最初のピークは、「あの太陽が、この世界を照らし続けるように。」。どんなに悲しいことがあっても、必ず明日は来る。孤独や葛藤を抱えながらも、生きていこうーー〈どんな命も輝いている〉というフレーズは、リリースから10年以上が経った現在、さらに深く、強いメッセージをまとっていた。楽曲が進むにつれてスケールを増していくメロディライン、それを全身全霊で歌い上げる黒田のボーカルも印象的。演奏が終わった瞬間、多くの観客が立ち上がり、惜しみない拍手を送り続けた。

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