古屋敬多&新里宏太&丸山龍星&長田光平&酒寄楓太、ライジング座談会 音楽・ダンスと舞台が生み出す化学反応

ライジング舞台俳優座談会

 高い表現力を武器に、アーティストと俳優という二足のわらじを履くケースが増えている昨今。その中でも舞台を中心に幅広い活躍を見せているのが、ライジングプロダクションの面々だ。DA PUMPや三浦大知といったアーティストたちが所属し、歌とダンスに特化したエンタメに強い事務所というイメージがあるが、そのカルチャーはどのように後輩たちに受け継がれているのだろうか。

 今回は、グループ活動のかたわら『プリシラ』など数々の人気ミュージカルへの出演で知られる古屋敬多(Lead)、やはり音楽活動と並行して2023年にはミュージカル『ザ・ビューティフル・ゲーム』に出演する新里宏太、2022年はミュージカル『新テニスの王子様』The Second Stage 毛利寿三郎役、『ワールドトリガー the Stage』大規模侵攻編エネドラ役など2.5次元作品でも異彩を放つ丸山龍星、ミュージカル『刀剣乱舞』 ~江水散花雪(こうすいさんかのゆき)~にて注目を集めている長田光平(プラチナボーイズ)、現役高校生インフルエンサーで12月にCDデビュー、2023年にミュージカル『テニスの王子様』4thシーズン 青学vs氷帝の日吉 若役で俳優デビューを飾る酒寄楓太という、年齢・キャリアもさまざまな5人が集結。音楽やダンスと舞台が生み出す化学反応について語ってもらった。(古知屋ジュン)【インタビュー最後にプレゼント情報あり】

スタジオがきっかけで広がっていく俳優チームの交流

ライジング座談会

――ライジングプロダクションの俳優さん同士が、こうやってメディアで揃う機会は珍しいんじゃないでしょうか。たとえばDA PUMPやw-inds.、LeadのメンバーがSNSでやり取りしているのを見かけることはありますが、俳優さん同士だと、ふだんどんな風に交流しているんですか?

古屋敬多(以下、古屋):事務所のスタジオにいると、みんなが使う場所だから自然と人が集まってくるんですよ。だからアーティストも俳優も関係なく、会えば普通に話したりしていますね。

長田光平(以下、長田):敬多さんとか、先輩たちに挨拶する機会があると、「最近どう?」とか気にしてもらったり、仕事のアドバイスをいただいたり。

酒寄楓太(以下、酒寄):たまにスタジオにこもって僕が練習していると、長田くんが声をかけに来てくれたりします。

長田:僕と楓太くんはレッスンで一緒になることもありますし、僕のいるプラチナボーイズのYouTubeチャンネルにゲストで出てもらったり、一緒にたこ焼きパーティーもしたよね(笑)?

新里宏太(以下、新里):そんな感じで、スタジオで話すきっかけを作って、そこから趣味が合う同士でプライベートでもワイワイしていたりしますね。敬多さんと僕はめっちゃ一緒に遊んでます。

丸山龍星(以下、丸山):ゲームで交流している人は多いかもしれない。僕も敬多さん家に遊びに行かせてもらったりしていますね。

――アーティストの方々だと『UNITED』や『5月の風』といった事務所主催のイベントがありましたが、俳優チームはスタジオから交流が生まれると。酒寄さんは入所されてからずっとコロナ禍で大変でしたよね。

古屋:楓太くんは今で所属して何年ぐらいになった?

酒寄:4年目ぐらいです。

新里:ちょっと待って、今いくつだっけ?

酒寄:今日で18歳になりました。

――おめでとうございます!

古屋:え、何も用意してないけど。これでいいかな?(とニットを脱ぎだす)

新里:ユニフォーム交換ですか(笑)?

――ライジングプロダクションの社風を聞こうと思っていたんですけど、こういう感じということで(笑)。

新里:ちゃんと先輩方にはリスペクトを持って接していますよ?

古屋:僕はこの中だと一番年上で、後輩くんたちはすごく先輩扱いしてくれるんですけど、こっちはあんまり気にしていないんですよね。僕らLeadは自分たちが後輩だった時代が長いから、みんなの気持ちもわかるんですけど。

丸山:そうやって言っていただけると後輩としては助かります。もっとグイグイいけるなと思って。

長田:僕や楓太くんだと、先輩方は話しかけちゃいけないオーラをまったく出してないのに、勝手に「リハーサルの邪魔をしちゃいけないな」と遠慮してしまうこともあって。

古屋:いやいや、気にしないで? 僕もシャイなところがあるから、恥ずかしさもあってなかなか自分から声かけられなかったりするんだけど。

それぞれが感じるライジングならではの強み

ライジング座談会 酒寄楓太
酒寄楓太

――みなさんキャリアも年齢もバラバラですけど、今日の取材を通してより仲良くなってもらえれば。自己紹介も兼ねて、今のお仕事を始めたきっかけを聞かせてもらえますか?

酒寄:僕はAAAの西島隆弘(Nissy)さんがすごく好きで、それで芸能活動を始めようと決めたんです。

丸山:グッズとか、たくさん持ってるもんね。

酒寄:そうなんです! 本当に大好きで、歌い方とかも影響受けまくりですね。ライブは自分ではまだ1回もしたことがないんですけど、パフォーマンスもたぶんNissyさんに影響を受けたものになるんじゃないかと思います。

長田:僕は母親の影響でちっちゃい頃から映画をたくさん観ていて、最初は映画を作る人になりたかったんですよ。そこから演技にも興味を持って役者をやりたいと思うようになったので、当時から観ていた作品すべてが今の役者としての僕を作っていると言えるかもしれないです。洋画をメインに邦画もけっこう観ていて、自分が舞台に出るようになってからは舞台にもなるべく足を運ぶようにしていて、今はとにかく色々な作品に触れて勉強できたらいいなと思っています。

丸山:僕は正直、最初はモテたかったから俳優をやりたいなと思ったんですけど(笑)。新里くんとはタメだから伝わると思うんだけど、『野ブタ。をプロデュース』『ドラゴン桜』『ごくせん』みたいな学園ドラマはど真ん中の世代なんですよ。でもいろいろ見ていた中で、作品としてすごく印象的なのは『JIN-仁-』ですかね。

新里:「ペニシリンでございます」だ!

丸山:ああいうヒューマンドラマがすごく好きで、あの中に出てくるセリフの「神は乗り越えられる試練しか与えない」とか、前向きなメッセージ性を感じられる作品を見た時に、俳優としてこういう作品の魅力を見ている人に伝えられたらいいなと強く思いました。

――丸山さんはこの中では唯一、音楽活動をされていないんですよね。

丸山:そうですね。音楽に触れたのも、ダンスを始めたのもこの事務所に入ってからです。でも今は舞台に出るなら、歌もダンスもできて当然みたいなところがあるので。

古屋:龍ちゃんがテニミュ(ミュージカル『テニスの王子様』)に出る前かな。スタジオで「今度の作品で歌うことになったんですけど、初めてだし、どうすればいいですかね」みたいな相談をされて、小一時間くらいアドバイスしたことがあったね。

丸山:先輩たちにこうやっていろいろ聞けるというのはこの事務所だからこその強みですし、めちゃくちゃありがたかったです。

古屋:ミュージカルでは知念里奈さんなど先駆者がいて、いろんな土台を作ってくれたおかげで今の僕らがあるというかね。

――新里さんは『ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト』出身ですよね。

新里:そうですね。僕は最初、徳永英明さんに憧れて、徳永さんがカバーしているアーティストも含めて14~15歳の時にたくさん聴いていて「他人の曲をなぜここまで自分のものにできるんだろう」というところに興味が湧いて歌を好きになったのが、芸能界に興味を持ったきっかけだったんです。カバーする1曲1曲を自分なりに解釈していないとあそこまでメッセージ性が強い作品にはならないと思うんですよ。「誰々が歌う●●のカバーがいいよね」と言われるためには、時間をかけて1曲1曲の作品を掘り下げなければいけないんだと気づいたときに、役者としてもすごく勉強になるポイントが多いなと改めて思ったりもしました。

古屋:そういえば僕、宏ちゃんのJUNONのオーディションの映像、見てるんですよ。当時の僕らのマネージャーがスカウトを考えていたらしくて、映像を見せてもらったらすごく歌が上手いし声も伸びやかで、「すでに自分の武器を持っている子だと思うから、絶対採ったほうがいいと思うよ」って推しといた。

新里:その話、初めて聞きました! 今まで散々遊んでたのに!

古屋:そんなの今さら、恥ずかしいやん? 僕はですね、母親がSMAPが大好きで一緒にライブとか行ってたんですけど「あんたもああいうことをやってみたら?」みたいな流れで近所の、なぜかバレエダンススタジオを見つけてきて……。

丸山:スタートがバレエだったんですか?

古屋:そう。スタジオで男の子は僕1人で当時思春期だし、もうレッスンに出るのが恥ずかしくて。だから仮病で休みまくりました。

――でも当時嫌々ながら学んだことも、今ちょっと役に立っていたりはしないですか? ミュージカルではそういった振りも多いですよね。

古屋:バレエは全てのダンスの基礎みたいに言われていますし、本当にそれはそうだなと思います。軸の取り方、バランスの取り方、ターンの仕方とか。でも個人的には小5で始めたストリートダンスのほうが衝撃があったんです。僕らは世代的なものもあると思うんですけど、若かりし頃のDA PUMPさんを見て、思いっきり影響を受けましたね。DA PUMPさんはバック宙とかそういう技もパフォーマンスの中でバンバンやっていて、当時の自分にとっては本当にヒーローみたいな存在でした。ストリートダンスにすごく男らしさを感じていて、そこに憧れたみたいなところもあります。

 きっかけはそんな感じで、僕のダンスの師匠が開いたスタジオに通っていたら、オーディションの話を2つ持ってきてくれたんですよ。1つが俳優兼アーティストの方が多く所属している事務所、1つが今の事務所のもので僕は迷わず「DA PUMP目指したいです!」って参加したオーディションで賞をいただいて、こうなった感じですね。

丸山:憧れの人と同じ事務所で仕事できるって、夢がありますね。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる