岸谷五朗、寺脇康文『Act Against Anything VOL.2』 エンターテインメントで勇気を与えた4年ぶりの有観客ライブ

『Act Against Anything VOL.2』レポ

 貧困・難病・教育問題など多くの困難に立ち向かう子どもたちの未来を守るための支援を目的とした、チャリティプロジェクトの第2回目『Act Against Anything VOL.2「THE VARIETY 28」4年ぶりブリ生舞台!全身全霊!心を込めて歌って踊って皆でチャリティ全員集合!』が、11月26日に神奈川・パシフィコ横浜にて開催された。1993年にスタートした『Act Against AIDS』から名を改め、第1回目の開催となった『Act Against Anything VOL.1「THE VARIETY 27」』は、2020年12月に東京・日本武道館で開催されたものの、新型コロナウイルスの影響によって配信という形を余儀なくされたことで、2018年に開催の『Act Against AIDS 2018「THE VARIETY 26」』以来、実に4年ぶりの有観客ライブとなった。

 2007年頃から岸谷五朗・寺脇康文の両名に加え、三浦春馬もプロジェクトに参加。イベントの最初に、これまでの名シーンがダイジェストで上映され、「愛すべき後輩・三浦春馬の思いを胸に…」との言葉と共にイベントがスタートした。

 トップバッターに登場したのは、岸谷と寺脇によるユニット“アリっす”。蟻の格好をした2人がステージで、アリスの「チャンピオン」を歌うという、いわゆる歌ネタコント。あうんの呼吸で繰り広げられる軽妙なやりとりに、会場には笑い声も漏れ聞こえ、どこか緊張気味だった雰囲気を和らげた。それに続き、会場に心地良い空気を届けてくれたのは、今年デビュー25周年を迎えた、3人組ユニットのSkoop On Somebody。「1人でも多くの笑顔につながりますように」とコメントし、「sha la la」と「祈り」を、アコースティックバージョンで披露。3人の美しいハーモニーが、会場に極上の癒やしを届けてくれた。

 この日は、音楽アーティストだけでなく、舞台やミュージカルなどで活躍する人気俳優が次々と出演してイベントを盛り上げた。昨年「第46回菊田一夫演劇賞」で演劇賞を受賞、役者/アーティストとして活動する加藤和樹は、郷ひろみの「2億4千万の瞳~エキゾチック・ジャパン~」を熱唱。猪塚健太、新原泰佑、水田航生、溝口琢矢の俳優4人による“シタッパーズ”は、ももいろクローバーZの「Z女戦争」を、振り付けと共にパフォーマンス。ミュージカル俳優の大野拓朗はウルフルズの「ガッツだぜ!!」を熱く歌い上げた。演劇界を背負って立つメンバーを、こんな贅沢使いができるのはこのイベントだけだろう。

 続いて登場したのは、2018年、岸谷と寺脇による演劇ユニット・の地球ゴージャスプロデュース公演「ZEROTOPIA」に出演した経験のある声優/アーティストの花澤香菜。イベントには2回目の出演で、MCでは前回出演時の失敗エピソードを披露しながら「また参加できてうれしい」とコメント。ドラマ主題歌にも起用された「Moonlight Mahic」と「SHINOBI-NAI」を、指でハートを作るなどの振り付けと共にパフォーマンス。清楚な白のワンピース姿と明るく可愛らしい雰囲気で、会場が一気に華やいだ。また、同じく2回目の出演となった藤原さくらは、ピアノ1本をバックにアコースティックギターの弾き語りでシンプルに「まばたき」と「mother」を、しっとりと披露。温かく和らいだムードが会場に広がった。さらに、サンプラザ中野くんとパッパラー河合は、爆風スランプの名曲「Runner」と、「(〈36.5度のカラダで〉などの)歌詞が、なぜか今の時代にピッタリというところがありまして」とのコメントと共に、25年前にTV番組『進め!電波少年』の企画で猿岩石が行ったユーラシア大陸横断ヒッチハイクの旅の応援歌「旅人よ~The Longest Journey」を披露。時代を超えた楽曲のパワーで、コロナ禍を生きる人々を応援した。

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 同イベントでは、近年人気がさらに高騰しているミュージカルをフィーチャーしたコーナーも設け、多くのミュージカルスターが出演。様々な人気作品の名シーンが、舞台とは異なる役者の組み合わせによって蘇り、ミュージカルファンにとっては歓喜のステージとなった。

 『デスノート THE MUSICAL』からは、甲斐翔真/小池徹平による「ヤツの中へ」が披露。睨み合いながら歌う緊迫したムードで、Lがキラの正体に迫るシーンが再現された。門山葉子/新原泰佑による「愛を感じて」(『ライオン・キング』)、加藤和樹による「Waving Through A Window」(『Dear Evan Hansen』)、清水くるみ/水田航生による「The Next 10 Minutes」(『The Last 5 Years』)。また、城田優の体調不良により急遽出演となった古川雄大と甲斐による「闇が広がる」(『エリザベート』)は、見どころの一つ。迫真の歌の演技に会場からは拍手喝采が送られ、急遽の出演に岸谷も「救世主です」と感謝の思いをコメントした。

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