「ニャンちゅう」2代目声優の羽多野渉、キャラソンで培った“声の演出力” アーティストデビュー10周年とあわせて考察
『さんかく窓の外側は夜』では感情を表に出さない霊媒師の冷川理人役を演じた羽多野だったが本作のエンディングテーマ「Breakers」は冷川としてではなく羽多野本人名義での歌唱となっている。この楽曲のこだわりについて「冷川が歌っているように聴こえないようにするところ」と語っており(※1)、歌詞やMVは作品や冷川というキャラクターをかなり意識したものになっているが、楽曲を“冷川理人”ではなく“羽多野渉”として理解したことで感情豊かな表現を耳にすることができる。
そのほかの本人名義の楽曲についても、楽曲によって全く異なる雰囲気を出している。11月30日発売のアルバム『TORUS』表題曲「TORUS」はポップで明るい曲調となっており、2020年12月にリリースし話題となった「Never End!Summer!」には、聴く人の背中を押す力がある。これほどまでに多彩に仕上げることができるのは、今までキャラソンをいくつも発表し、演技しながら歌うという豊富な経験を培ってきたからなのではないだろうか。ときにキャラクターとして、ときに本人名義で作品を仕上げる声の演出力の高さが魅力の羽多野。今後も新たな表現を追求していくことだろう。
※1:https://avexnet.jp/column/detail.php?id=1000511
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