「ニャンちゅう」2代目声優の羽多野渉、キャラソンで培った“声の演出力” アーティストデビュー10周年とあわせて考察

 声優の羽多野渉が『ニャンちゅう!宇宙!放送チュー!』(NHK Eテレ)に登場するパペットキャラクターの「ニャンちゅう」の2代目声優に抜擢された。

 羽多野はこれまで、『アイドリッシュセブン』シリーズの八乙女楽、『あんさんぶるスターズ!!』の乙狩アドニスといった人気キャラクターを演じてきた声優。それだけに、ダミ声が特徴的なニャンちゅうを演じることに対してSNSでは驚きの声も上がっていた。本稿では、今年で声優デビュー21周年、アーティストしても10周年を迎える羽多野の魅力を振り返りたい。

アイドリッシュセブン『DIAMOND FUSION/TRIGGER』MV FULL
UNDEAD「Melody in the Dark」 あんさんぶるスターズ!! Music ゲームサイズMV
【ツキウタ。】文月海「Beast Master」+「透明ララバイ」

 羽多野の特徴といえばキャラクターソングの多さにあるだろう。本人名義のアーティスト活動ではない、キャラクターとして歌うキャラクターソングでは、歌唱力だけでなく声優としての演技力も求められるが、羽多野は見事に演じ分けている。先述の『アイドリッシュセブン』では、作中のアイドルグループTRIGGER のリーダーである八乙女楽を演じ、数多くの楽曲を発表。グループ内でも低音が響くアタックの強い発声で、“クールに見えてアツい男”八乙女を表現している。『あんさんぶるスター!!』乙狩アドニスとしては作品内ユニットの中でも比較的アグレッシブな楽曲を得意とするUNDEADとして、クールな雰囲気はありつつどこか儚げで優しい歌声を乗せ、ユニットの楽曲を一段と大人っぽく演出している。これは乙狩がエキゾチックなオーラが漂う寡黙な努力家であるという性格が反映された結果だろう。一方ドラマCDシリーズ『ツキウタ。』ではより一層低音ボイスを響かせており、メンバーを優しく見守る文月海らしい大人びた歌声となっている。

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