King Gnu、THE RAMPAGE、SUPER BEAVER、TREASURE、ぼっちぼろまる……11月30日リリースの新譜5作をレビュー

 毎週のリリース作の中から注目作品をレビューしていく連載「本日、フラゲ日!」。今回は11月30日リリースのKing Gnu『Stardom』、THE RAMPAGE from EXILE TRIBE『ROUND UP feat. MIYAVI / KIMIOMOU』、SUPER BEAVER『ひたむき』、TREASURE『THE SECOND STEP : CHAPTER TWO』、ぼっちぼろまる『ぼっちのうたI』の5作品をピックアップした。(編集部)

King Gnu『Stardom』

 King Gnuのニューシングル表題曲「Stardom」(2022 NHKサッカーテーマ)は、ワールドカップを強く意識した楽曲。トライバルハウス、オルタナティブロックなどを有機的に融合させたサウンドメイク、繊細な心象風景からはじまり、〈夢にまで見たStardom/さあ 命揺らせよBlow Life〉と鼓舞するリリック、壮大なスケール感とドラマ性を称えたメロディラインなど、まさにアンセムと呼ぶに相応しい楽曲に仕上がっている。メンバー全員の技術とセンスをさく裂させながら、バンドとしての強烈な個性に結びつける構成も素晴らしい。カップリングには「雨燦々」(TBS系日曜劇場『オールドルーキー』主題歌)を収録。クラシカルな弦の響き、優しさと切なさに触れたメロディが心に残る、King Gnu流J-POPの最新バージョンだ。(森)

King Gnu - Stardom
King Gnu - 雨燦々

THE RAMPAGE from EXILE TRIBE『ROUND UP feat. MIYAVI / KIMIOMOU』

 12月29日、30日に東京・有明アリーナにて全国ツアーの最終公演を控えるTHE RAMPAGEから、初のダブルAサイドシングルが届けられた。鋭利な手触りと爆発的なダイナミズムが押し寄せるギターサウンドを軸にした「ROUND UP feat. MIYAVI」(映画『犯罪都市 THE ROUNDUP』日本版主題歌)は、曲が進むにつれて疾走感と攻撃性を増していく超アッパーチューン。〈善悪(モラル)跨いだヘイトにピリオド〉など現代社会の暗部に切り込むリリックも刺激的で痛快だ。「KIMIOMOU」(テレビ東京水ドラ25『キス×kiss×キス〜メルティングナイト〜』オープニング主題歌)は、アコースティックな音像と穏やかで切ない恋愛感情が溶け合うミディアムバラード。RIKU、川村壱馬、吉野北人のボーカル表現の違いをじっくりと味わってほしい。(森)

THE RAMPAGE / ROUND UP feat. MIYAVI (MUSIC VIDEO)

SUPER BEAVER『ひたむき』

 アニメ『僕のヒーローアカデミア』(日本テレビ系)第6期オープニングテーマ。『ヒロアカ』の物語を彩るために作られた楽曲ではあるが、この「ひたむき」というタイトルを見て、強烈な“SUPER BEAVERらしさ”を感じた人は多いと思う。〈どれだけ面と向きあっても 想いすれ違うかもしれない/じゃあ意味がないと嗤うかい/いや、意志を持って笑いたい〉〈いつだって今日が人生のピーク 超えていけ/踏み出す人の 真ん中にある 決意は未来だ〉といった、愚直で、ストイックで、何よりも誠実な言葉たちが散りばめられた同曲は、そのままSUPER BEAVERというバンドのテーマソングとしても響く。彼らの新しい代表曲になっていくことは間違いないだろう。また、間奏部分にシンガロングのパートが挿入されており、2番のAメロでは手拍子の音が大々的にフィーチャーされている。おそらく観客の声と手拍子が重なることを見据えて制作されたはずで、ライブハウスやフェスのステージでその景色が実現する日は、そう遠くはないはずだ。原曲よりもさらに深く歌を響かせるアレンジを施したカップリングの「秘密(Acoustic ver.)」も素晴らしい。(松本)

SUPER BEAVER「ひたむき」MV

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