7ORDER、“ライブバンド”としての確かな評価 マルチな才能が揃ったグループの特性

 このようなバンド演奏が続いた後、絶妙なポイントでダンスパフォーマンスが炸裂すると、そのインパクトはものすごい。「Power」「Make it true」「Perfect」「MONSTER」などは、ダンスパフォーマンスが抜群に映えるサウンドだ。7ORDERの公式YouTubeチャンネルで公開されている様々なダンス動画が非常にかっこいいので、興味を持った人に強くお薦めしておく。彼らのダンスに関しては、7人の息の合ったコンビネーションが確立されていると同時にヒップホップ、ジャズ、コンテンポラリーなど幅広い要素が各々からにじみ出るのも観ていて楽しい。前身グループの時代から今日に至るまで、彼らが真剣にレッスンを重ね続けていることが窺える。特に森田の身体のキレと表現力は素晴らしい。彼にはLAにダンス留学していた時期があるそうだが、現地でも相当な努力を積み重ねたのだろう。

7ORDER「爛漫」MUSIC VIDEO

 ここまでライブを主軸としつつ7ORDERについて綴ってみたが、彼らの魅力は他の角度からも語ることができる。例えば、楽曲制作に関しては真田が中心となって、全員で作り上げていく曲も多い。そして、多彩なクリエイター陣からの提供曲も、彼らの音楽性に奥行きを与えている。ユーモラスな味わいの「SUMMER様様」は、ORANGE RANGEのHIROKIが作詞、NAOTOが作曲。ライブで欠かせない曲のひとつ「青空と爆弾」は、湘南乃風の若旦那こと新羅慎二が作詞作曲。UKロック的なコード感と音像を堪能できる「レスポール」は、新羅慎二と大沢伸一のタッグによって制作された。「もしも」は、メンバーたちと交わした恋愛トークを題材にして阿部真央が作詞作曲。洗練されたムードのトラックと共にラップが繰り広げられる「Cafe latte」は、真田とPESの共同制作。清々しい疾走感と力強さが融合した「agitate」は、井手コウジからの提供曲……などなど。最新シングル『Growing up/爛漫』のタイトル曲のひとつ「爛漫」の作詞が7ORDER、作曲・編曲がTempalayの藤本夏樹なのも目を引く。安井と藤本は中学、高校時代の同級生なのだという。

 音楽、ダンス、ライブ以外の面に関してさらに付け加えるとすれば、自らの手で道を切り拓きながら歩んでいる姿も魅力的な7人だ。もちろん、たくさんのスタッフやプロフェッショナルに支えられているのだが、彼らの活動には一貫して「手作りしている」という印象がある。例えば、2020年3月に完全受注生産でリリースされた自主制作CD『Sabãoflower』の梱包作業をメンバー自らの手で行ったのは、活動の根本にある姿勢を示す象徴的なエピソードではないだろうか。CDの外装パッケージに蝋を垂らしてスタンプで封をする“シーリングワックス”の作業をしている様子は、YouTubeチャンネルの公式動画でも公開されている。ワックスを温めている鍋を囲んで7人がわいわいがやがやと作業している様は、何度観ても和まされる。その他、衣装を含む様々な方面のプロデュースをメンバー自身が手掛ける機会が多かったり、7ORDERのロゴやマスコットキャラクター“小田ちゃん”のデザインを手掛けたのが長妻だったりするのも、彼らが放つ手作り感に繋がっているように思う。とにかく、魅了されるための入り口が本当にたくさんあるのが7ORDERなのだ。

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