ボーイズグループの盛況、K-POPスタイルの活動がブームの鍵? SNSや動画サイトを活用した発信の重要性

[Nizi Project] Part 1 #1-1

 韓国の事務所が日本でグループを制作・プロデュースするという流れはNiziUのようなガールズグループから注目を受けてきていた。一般に、ボーイズグループはガールズグループ以上にファンダム支持の強固さが重要になると言われているため、事務所にある程度の規模があれば、“プデュ”シリーズや『Nizi Project』ほどの大衆的な注目度がなくても既存グループのファンから注目を受けやすく、デビューサバイバルを行うことである程度のファンダムを事前に構築することは可能だろう。

&AUDITION - The Howling - Episode1

 &TEAMがデビューするきっかけになった『&AUDITION』のケースでは2年前に韓国で行われたENHYPENのデビューサバイバル『I-LAND』に出演経験のあった4人が含まれているほか、HYBEが今年開始したWEBTOONプロジェクトでのENHYPENをイメージした作品「黒の月:月の祭壇」にはライバル校のキャラクターとしてその4名を思わせるキャラクターが登場していた。このように既存のグループの世界観と紐づけたり絡みを見せることで、事務所単位でアイドルを推しやすくなるという利点もありそうだ。

 このように、近年K-POPでもジャニーズでもないボーイズグループが活況である背景には、以前は限られていたテレビやメディア出演の枠と関係なく幅広い層にリーチできるSNSや動画サイトを活用した、K-POPのような制作スタイルや広報活動が日本でも様々なジャンルで一般的になってきたことや、ファン同士で結束しやすいようなK-POPのファン文化も部分的に入ってきたことで、より手軽にアイドルのパフォーマンスやパーソナリティに触れる機会や選択肢が増えたり没入しやすい環境が与えられたことも関係している。K-POPアイドルから言語的なハードルがなくなり、よりローカルで親近感の湧きやすい存在になっているのが、現在活躍しているニュータイプのボーイズグループなのではないだろうか。

 これらのグループの成功を受け、今後も『Nizi Project』のボーイズバージョンや韓国の事務所が日本で作るローカルグループの数は増えていきそうだ。「日本で活動するK-POPグループ」のままでも日本で商業的成功を収められることは、今やコンサート動員数やCD売上などの数字的にも明らかになっている。しかし、その上であえて「ローカルなグループ」を制作するということは、そこでツボにハマってこなかった層も含めた、より大衆的で地域に密着したグループを作って定着させるという、また別の目的があるのだろう。日本のアイドル市場とファンダムはよりバリエーションが豊かになっていきそうだ。

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