稲垣吾郎、中村ゆりの結婚観に興味津々 役さながらの聞き上手ぶり発揮した映画『窓辺にて』舞台挨拶レポ
11月17日、TOHOシネマズ 六本木ヒルズにて映画『窓辺にて』の公開御礼・全国生中継つき舞台挨拶が行われ、稲垣吾郎、中村ゆり、今泉力哉監督が登壇した。舞台挨拶の最後には、観客を対象にフォトセッションタイムも設けられ「#窓辺にて」で拡散されている。
2019年『愛がなんだ』や2020年『mellow』などで知られる今泉力哉が脚本を書き下ろし、監督を務めた本作。稲垣が演じるのは、編集者の妻・紗衣(中村ゆり)の浮気を知りながらも指摘できずにいるフリーライター・市川茂巳。彼は、妻に何も言えないばかりか、浮気を知った時に芽生えた自身の感情についても悩んでいた。市川はある日、文学賞を受賞した女子高校生作家・久保留亜(玉城ティナ)の小説に心動かされ、小説のモデルについて尋ねる。「好き」という感情について、淡々と静かに描いたラブストーリーだ。
稲垣自身、映画館に足を運んだといい「皆さん(観客)の後頭部を見ながら『あー自分がいるー』って」と、不思議に感じたのだという。本日、舞台挨拶および同時中継に集まったファンはすでに鑑賞済みなのではという話になると「僕に後頭部を見られていた人もいるかも」と笑わせた。
本作について、今泉監督と稲垣との相性が抜群だという声も耳にしたという稲垣。舞台挨拶においても、中村を含めた3人の相性は抜群だ。おっとりとマイペースながら、中村や今泉監督にトークを振り、共感し、話を広げていく稲垣にその「座長力」を感じるとともに、フリーライターという本作の役どころが重なる。
監督は、鑑賞済みのファンからの声をメモして持参。稲垣演じる茂巳が最後まで理解されず、共感されない姿に自らが重なったという感想を読み上げ、「うまくいってない人の人生が愛おしいものになるようにと映画を作っている」と語る今泉監督は、深く感動したのだという。ネタバレの懸念のため多くは語れないながらも3人は改めて、「届く人には自分ごとになる映画だ」と語り合った。
稲垣は、本作の取材にあたり「茂巳を本当に理解できない」と、女性ライターに怒られることもあったというが、茂巳自身は自らに近いキャラクターだといい、「以前は5人グループの端っこで髪をいじっていたりしたんだけど」と笑わせつつ、自身でも「演じてないんじゃないかな」と思うほど、また周囲からも「演じてないんじゃないの?」と言われるほど、自分に近い役だったと振り返る。
それを証明するように、今泉監督からは2つの裏話が。あるシーンで、稲垣が「僕は僕より……」とセリフを続けるのだが、セリフを口にしながら身体が小さくリズミカルに揺れているのだといい、監督はそのさまを「ダンサブル吾郎」とこっそり呼んでいたそう。1回目の鑑賞で見てしまうと笑ってしまうため、ぜひ2回目以降に注目してほしいという。
もう一つは、玉城ティナが歌を口ずさむシーン。そこで、なぜか稲垣の手がリズムを刻んでいるのが面白いといい、どちらも「音楽を刻んでいるんだな」と思ったそう。これらについて稲垣は「踊るの好きなんですよね、踊れと言われたら嫌なんですけど」と笑わせつつ、(そうした動きが)「記憶にないんですよ」と振り返り、映画を見た香取慎吾からも、あるシーンについて「吾郎ちゃんじゃん」と指摘されたエピソードを明かした。「本当に、演じてないんじゃないかな」と、劇中でも素の稲垣吾郎であったことを笑った。