青山テルマ、武道館でゲストと共に15周年を祝福 観客の心を照らす前向きなメッセージも

青山テルマ、武道館で15周年を祝福

 MCでは、自分と同じピンクヘアのファンに「大丈夫?  お母さんに怒られなかった?」と話しかけたり、男女2人組で来ているファンには「付き合ってる?  ちょっと好き?」と冗談交じりに声をかけたりする場面も。そんな風に大舞台でも常に近い距離で接してきたファンへ、青山は「生きてるだけでご褒美」を届ける。〈生きていこう もっともっと 笑っていこう〉〈個性も失敗も 笑顔のチケット〉〈一緒に笑ったらみんなhomies〉と、15年間決して平たんではない音楽人生を歩んできた青山からのポジティブなメッセージは、観客たちの心を明るく照らした。

 ここで突如十八番だというカバーソングのイントロが流れ、清水翔太がステージに登場。清水は金髪にサングラス姿で青山との完璧なデュエットを披露し、さらにコラボ曲「MONEY feat. 青山テルマ, SALU」ではアダルティなムードで会場を染め上げた。本編ラストは「一生仲間」をパフォーマンス。駆けつけた豪華なゲストはもちろん、バックバンドやダンサー、スタッフ、そして集まったファンに向けた思いをのせて歌い上げた。

青山テルマライブ評(サブ)
清水翔太

 アンコールは「世界の中心〜We are the world〜」からスタート。ルーズソックスにハーフツインテールというギャルスタイルで登場した青山は、この日のためにアメリカから来日したkemioとド派手な衣装のフワちゃん、総勢40人の学生ダンサーらと共にパラパラを披露した。楽しさに振り切ったステージが終わり、テルマとバックバンドだけのステージに戻ると、日本武道館までの道のりを振り返って語り始める。

 「正直もう武道館には立てへんと思ってたけど、15年かかってようやく立てました。全然CDも売れない時期があって、このまま音楽やり続けていいのかなと何度も思った。自分はただただ音楽が人一倍好きで、ただただ人一倍みんなの笑顔が見たくて、あとちょっと頑張ってみようかなの繰り返しで15年来ました。みんなもきっとこの数年しんどかったと思うけど、これからめっちゃ楽しくなるはず。生きていれば絶対にいいことがあります。生きててよかったって思える瞬間に出会えます」。そう言い切った後は、観客一人ひとりと視線を合わせながら語りかけるように「なんだかんだ」を届けた。

青山テルマライブ評(サブ)
青山テルマ『世界の中心~We are the world~』ステージの様子

 ここで今まで登場したゲストが全員ステージに集合し、10月27日に誕生日を迎えた青山へバースデーサプライズ。驚きながらも「ありがとう! みんなのこと大好き!」と喜びを露わにする青山は、後に「みんなが笑える場所や泣ける場所を作りたいから私は絶対泣かない」と宣言していたが、その目元には涙が滲んでいるように見えた。そしてラストは「SMILE AGAIN」を全力で歌い上げ、記念すべき武道館のステージを締めくくった。

青山テルマライブ評(サブ)

 確かな歌唱力と多彩な音楽性、そして観客たちの心を照らすメッセージを届け、青山テルマは15周年という節目に相応しい最高のライブを成し遂げた。

青山テルマ、”てっぺんからの転落”で見出した強み ありのままの自分でいることの大切さを語る

青山テルマから発せられる“ポジティブなマインド”の原動力とは何なのかーー。  今や、何事もオープンに話すキャラクターがお茶…

青山テルマにある“際どさ”の正体 楽曲プレイリストと共に紐解く

青山テルマは、際どい線を狙う。 青山テルマは、境界線上を漂う。 青山テルマは、繊細な感性でギリギリのところを彷徨い、私たちを…

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「ライブ評」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる