佐倉綾音が語る、Afterglow 美竹蘭との日々が変えた歌うことへの意識 『バンドリ!』との5年間を振り返る

佐倉綾音、Afterglow 美竹蘭との日々

 次世代ガールズバンドプロジェクト『バンドリ!』から登場した、佐倉綾音(美竹蘭役)、三澤紗千香(青葉モカ役)、加藤英美里(上原ひまり役)、日笠陽子(宇田川巴役)、金元寿子(羽沢つぐみ役)の5名からなるAfterglow。2017年に登場し、Poppin'PartyやRoseliaらリアルバンドと共に『バンドリ!』には欠かせない存在として人気を博してきた。

 Afterglowは荒削りながらも王道をひた走るロックソングが特徴的だが、直近ではTK(凛として時雨)がシングル曲「独創収差」を提供するなど、その音楽性の幅も年々拡大。ライブでは、美竹蘭役の佐倉綾音がパワフルなボーカルを披露し、バンドリーマー(『バンドリ!』ファン)たちを魅了している。

 11月12日開催となる『BanG Dream! Special☆LIVE Girls Band Party! 2020→2022』にも、Afterglowとして佐倉綾音が出演。ソロでの音楽活動を行わず、もともと歌に対しても苦手意識を持っていた佐倉だが、美竹蘭という役を通して『バンドリ!』の音楽に触れ続けたことでポジティブなものに変わったという。本インタビューでは、佐倉綾音と美竹蘭の歩みを辿りつつ、この5年間で起こった成長や変化について語ってもらった。(編集部)【最終ページに読者プレゼントあり】

「if」の人生を一緒に歩ませてもらっている感覚に近い

ーーAfterglowの1stシングル『That Is How I Roll!』がリリースされて、この9月でまる5年を迎えました。

佐倉綾音(以下、佐倉):もうそんなに経つんですね。

ーーここまで美竹蘭という役を演じてきた、率直な心境は?

佐倉:5年よりもっと長く一緒にいたような気がしています。実際の私たちの日常ではコロナの影響もあって大きな変化を迎えましたが、それは蘭たちの生活には関係のないことで、ゲームのシナリオの中や楽曲の中で変わらず元気に過ごしてくれている彼女たちの存在というのは、私が仕事をしている上で指標のひとつになっていた感覚もありました。私自身、もともと歌がすごく得意なわけではなかったので、それまでは積極的に音楽コンテンツをお仕事としてお引き受けしていなかった中で、蘭はフワッと降りてきたキャラクターでした。ここまで長い付き合いになるとも思っていませんでしたし、音ゲー戦国時代的なところに突入してもなお『バンドリ!』という作品を一途に愛してくださる皆さんがたくさんいるということは、決して当たり前じゃないと、とても感謝しています。

ーーそれこそ、国内のみならず海外にもたくさんのバンドリーマー(=『バンドリ!』ファン)を増やし続けているこの未来を、5年前は想像もしていなかったでしょうし。

佐倉:そうですね。蘭との出会いを思い返すと、池袋のサンシャイン噴水広場でサプライズでキャスト発表したとき、その楽屋で初めて彼女の設定資料をいただいて読んだ感覚というのが今でも鮮明に思い出せるんですよね。あまたあるゲームの中で色々なキャラクターを演じさせていただいていますが、そうやって出会いをパッと思い出せるキャラってすごくレアで。長い付き合いになりそうだとすら感じていました。それはきっと私だけじゃなくて、ファンの方も一緒なのかなと考えたりするんです。蘭を初めて見たときに、「このキャラ可愛い! どんな子なんだろう?」と感じてもらえたのかなと思うと、キャラクター自身が持っている魅力というのが私自身も身に染みて理解できます。

ーーしかもゲームやアニメ、音楽と出会った媒体によって、蘭に魅力を感じる部分は異なるかもしれませんし。では、佐倉さんの中ではこの5年で、蘭の存在に変化を感じることはありましたか?

佐倉:最初に資料を見たときの蘭は、私にとって親近感のあるキャラクターで。それは私と髪型が似ていたり、身長が一緒だったり、あとは誕生日が私の父と一緒だったりと(笑)、そういう表面的な部分に加えて人見知りで、慣れ親しんだ子たちの中以外では生きにくさを感じていたり、幼馴染を大切にしていたりと、そういった部分でも似たところをたくさん見つけられたんです。でも、蘭自身が物語の中で成長著しい子だったので、私を置いてどんどん成長していって(笑)。思春期に音楽や気心知れた仲間たちに触れると、こんなにすごいスピードで成長していくんだなと感じました。現実世界の私の中では5年経っていますけど、彼女たちの中では1年しか経っていないから、なおさらすごいなと思います。もはや最初に親近感を覚えた頃の彼女ではないので、逆に「私が蘭にしっかりついていかなくちゃ」という感覚が、最近は強くなっています。

 佐倉綾音自身は、それこそ蘭と同じぐらいの高校生のときから争い事が苦手で、友達とぶつかることもずっと避けてきたし、自分が好きだと思ったこと、やりたいことからも「自分にはできない」とずっと逃げ続けてきていた。でも、蘭はそこに真っ向から立ち向かっていく。もともとの性格は似ていたけど、起こす行動が違うだけでこんなにも青春できたんだなと。それを蘭のストーリーを通じて、追体験させてもらっているような、「if」の人生を一緒に歩ませてもらっている感覚に近いですね。

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