BEYOOOOONDS 平井美葉&小林萌花&里吉うたのインタビュー ハロプロ研修生を経ていないSeasoningSならではの視点

 BEYOOOOONDSが9月28日、2作目となるオリジナルアルバム『BEYOOOOO2NDS』をリリース。初の単独武道館公演を経てぐんぐん成長したBEYOOOOONDSのスキルが生かされつつもグループの個性が色濃く反映されている一枚になっている。リアルサウンドではハロプロ研修生出身メンバーの多いBEYOOOOONDSの中で一般オーディションを経て加入したSeasoningSの3人にインタビュー。加入までは普通の学生生活を送っていた3人だからこそ見えてくるグループの現在地、そしてこれからについて話を聞いた。(編集部)

【映像あり】『BEYOOOOO2NDS』注目ポイント紹介

BEYOOOOONDS、『BEYOOOOO2NDS』注目ポイントは?

BEYOOOOONDSは誰が主役になっても成立する

小林萌花

──まず、今年4月に行われたBEYOOOOONDS初の単独日本武道館公演『BEYOOOOOND1St CONCERT TOUR どんと来い! BE HAPPY! at BUDOOOOOKAN!!!!!!!!!!!!』のお話から聞かせてください。率直に言ってものすごく完成度の高いショーでしたし、皆さんの手ごたえもかなりのものだったんじゃないでしょうか。

小林萌花(以下、小林):そうですね、手ごたえはすごくありました。私たちも普段、先輩たちの武道館公演をよく観覧させていただくんですけど、そこにはやはり私たちの大好きなハロー!プロジェクトの世界があるんでね。そういうものとはまたひと味違った……ひと味どころじゃないくらい(笑)、何もかもが新しいBEYOOOOONDSならではのショーにできたなという自負はすごくあります。

平井美葉(以下、平井):準備期間はけっこうタイトなスケジュールだったんですけど、その中でもみんなが1分1秒を惜しんでたくさん話し合って、演出の方も含めて作りあげた“ひとつの作品”という感じで。ちゃんとBEYOOOOONDSらしさを貫いたうえで感動を届けられたということが自信にもつながりました。

里吉うたの(以下、里吉):武道館ならではの構成や演出を詰め込んだステージだったので、これまでBEYOOOOONDSのライブに遊びに来てくださっていた方にも新鮮に楽しんでいただけたと思いますし、「武道館でやるなら行ってみようかな」って初めて来てくださった方にも、BEYOOOOONDSの面白さがすごく伝わりやすいライブになったんじゃないかなと思っています。

──個人的には、あれだけのものをやってしまうと燃え尽きてしまいかねないというか、「これ以上はないんじゃないか」という気持ちになってしまうのではという心配もあったんですが……。

平井:燃え尽きてはいないです。終演後すぐにみんなの口から「2回目、3回目とやりたいね」という言葉が出ていましたし。それがすごくよかったなと思います。

小林:実は2019年に行った初めての単独コンサート『LIVE BEYOOOOOND1St』のとき、まさに「今後、これ以上のステージを作れるのか?」という気持ちになったんです。そのときはすごく不安だったんですけど、結果的には年々更新していけているので、これからも過去の自分たちを超えていけると信じてやっていきたいです。

平井美葉

──なるほど。BEYOOOOONDSとして進むべき方向に、今は迷いがない状態?

小林:最近になってようやく進むべき道が見つかったというか、「あの辺に次の道がありそうかな?」というのがぼんやり見えてきた感覚はありますね。

里吉:これまでは「自分たちがどこへ向かっているのか」どころか、「どこを歩いているのか」すらわからないような状態だったので(笑)。前例のない、最終形が想像できないことをやっているがゆえに。

平井:加入したばかりのときは、まず“寸劇ありきのパフォーマンス”というものに戸惑っていた部分が大きかったので、「何をどうしたらいいんだろう?」という思いは正直ちょっとあったんです。でも、それを不安がっているばかりじゃなくて、それぞれが持っている自分の個性を磨いていくことで、制作陣の方がそれを拾い上げて楽曲に落とし込んでくださったりするようになっていって。そういうことを重ねてきて、少しずつやるべきことがハッキリしてきたような感覚ですかね。

里吉:その結果、「アイドル界やハロー!プロジェクトの中で、自分たちはこういう存在でありたい」というものが今やっと見えてきた感じです。なので、入ってきた頃よりも今のほうがすごくワクワクしていますね。

──具体的には、どういう存在になっていきたいと?

里吉:ひとつあるのは、「ハロー!プロジェクトを知らない人にとってのきっかけになりたいな」ということで。BEYOOOOONDSって、ハロー!プロジェクトとしては比較的新しいことをやっているグループなので、「この子たち、ハロー!プロジェクトだったんだ?」と目を引くことができるんじゃないかと思うんですよ。私たちの楽曲やパフォーマンスをきっかけに気になってもらって、ハロー!プロジェクトを好きになってもらう。そういう方向性が理想かなと今は思っています。

小林:BEYOOOOONDSって、“奇抜な優等生”だと思うんですよ(笑)。普通のアイドルとは違う、一見奇抜なことをしてはいるんですけど、その根本にはハロー!プロジェクトのグループとして欠かせないスキルがしっかり備わっている。そういう部分は大事にしていきたいなと思いますね。

平井:その職人気質みたいなところはもっと打ち出していきたいですね。本当に一人ひとりのスキルが高いので、12人の誰が主役になっても成立するグループなんです。ベースにはそういう安定感と信頼がありながら、でも「何をしでかすかわからない」という期待感もある、両面を兼ね備えたグループになりたいなと思います。

──では、SeasoningSとしてはどうですか? BEYOOOOONDSの中で、この3人はどういう存在なんでしょうか。

小林:そうですね……何か特別に「SeasoningSだから」みたいなことはそんなにないというか。3人がそれぞれ確立した個性を持っているので、それをより生かせる場という感じですかね。私ならピアノですし。

平井:私と里吉うたのちゃんで言えばダンスですね。BEYOOOOONDSのグループとしてのクオリティをパフォーマンス面で支える役割を担っていきたいなと。奇抜なことをするからこそ、そういう基礎的な部分がより重要になってくると思うので。

里吉:私たち以外の2ユニット、CHICA#TETSUと雨ノ森 川海がけっこう対照的な位置にいるイメージがあると思うんですよ。その中でSeasoningSが何をすべきなのかと考えると、よりBEYOOOOONDSらしさを着色する、上乗せする役割ができたらいいなって。名前の通り、シーズニングする役割と言いますか(笑)。

里吉うたの

──なるほど。個人的な印象ですが、CHICA#TETSUと雨ノ森 川海が剛速球ピッチャー2人だとすると、SeasoningSは変化球投手のイメージなんですよね。しかも、投げる球種が全球違うみたいな。

平井:たしかに!

里吉:そうかもしれない(笑)。

──そういう意味で、そもそも異端の存在であるBEYOOOOONDSの中でも、さらに異端の部分を担っているのがSeasoningSなのかなと。

小林:BEYOOOOONDSのちっちゃい版みたいな(笑)。

──「5分でわかるBEYOOOOONDS」みたいな。

小林:あははは(笑)。でも、本当にそんな感じかもしれないです。

里吉:たぶん、“SeasoningSらしさ”みたいなものを言葉で説明するのはすごく難しいんですけど、逆にイメージが定められないところがよさなんじゃないかという気がしますね。

平井:決められた方向に私たちが寄せていくのではなく、3人の意志だったり個性だったりが結果的にユニットのカラーになっていくみたいなね。

里吉:私たちが変われば方向性も変わっていくと思いますし。

小林:やっぱりメインはBEYOOOOONDSだから、根本的に「BEYOOOOONDSの12分の1」という意識が強いんですよね。それに対して、SeasoningSは先ほども言った通り自分たちの個性や特技を盛大に生かせる場所というか。私はずっとピアノを弾いてるし、2人はずっと踊ってるし。

里吉:濃いめだよね。

小林:そう。濃いめに抽出しております(笑)。

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