Candy Boy、表情豊かな演技と歌声で描いた温かく優しい物語 結成7周年公演「カヌレに恋した王様」レポート

Candy Boy、結成7周年公演レポ

 金を生み出すロバ、ルチルがいなくなったことにより国は富を失い王は生気を失った頃、宮廷道化師による「この城に足りていないのは手拍子、歌声、軽やかなステップです」の言葉から続いた「君といるから」は、音楽の持つ力を見事に表していたように思う。アップテンポな楽曲に乗せて宮城が手拍子を求めると、落ち込んでいた臣下たちはもちろん、観客の表情も晴れていく。間奏でフレール役の前田が呟いた「必要ないものが必要なんですね」との言葉は、物語上で生気を失った王の助けとなるだけでなく、観客の日常にも必要な言葉として染みわたったことだろう。

 マントゥールによってかくまわれていたピノとフランソワが再会を果たし、フランソワがピノの本意と、肖像画の正体が若き日のジョゼフィーヌであることを知ったシーンでは、新曲「銀の月が輝く夜に」が披露された。叶わない再会を思う歌詞を柔らかく温かい歌声で歌いながら、穏やかに2人の時間を彩る。フランソワが王の職務に戻り、長く閉ざされていた城の門を開ける場面での「扉を開けたら」も祝福感に溢れ、物語と楽曲がマッチした瞬間だった。フランソワが国民の前で口にした「みんなと一緒にこれからも歩んでいきたい。そして伝えたい、ありがとうと」という言葉は、7周年を迎えたCandy Boyの思いでもあるだろう。表情豊かな演技と歌声で描いた温かく優しい物語は、こうして幕を閉じた。

 物語を終え、銀色のタキシード衣装に身を包み再登場した7人は、「おそろいのハンカチ」を披露。観客もおそろいのハンカチを掲げ、物語の余韻も相まって温かい一体感に包まれる。そして「夏の思い出と僕達の感謝を込めて」と新曲「夏色の思い出」を披露。最後は3周年記念時に新曲として同じ会場で披露した「君とアン・ドゥ・トロワ」を優雅に歌い踊り、記念公演を終えた。

 この優しい余韻を残した物語と思いやりに満ちた役柄は、彼らの穏やかな性格と丁寧な振舞いをそのまま反映したようなものでもあった。この先も、彼らがどのような役を演じ、歌と踊りで癒しのひとときを届けてくれるのか、楽しみでならない。

■イベント情報
『Candy Boy Cafe 11月公演』
【日程】
11月19日(土)、20日(日)、26日(土)、27日(日)
【会場】
Dining & Bar LAVAROCK 神谷町
所在地:〒105-0001 東京都港区虎ノ門5丁目13−1 虎ノ門40MTビル 1F
https://www.mt-restaurant.com/lavarock-k/

詳細は以下オフィシャルサイトにて後日発表。
https://candy-boy.jp/

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