日向坂46 齊藤京子、満を持してシングル初センターに デビュー時から一貫した“歌姫”としての存在感

 さらにその実績を振り返ると、昨年の『MTV LIVE MATCH』では緑黄色社会のゲストボーカルとして「想い人」を、『MTV VMAJ 2021 -THE LIVE-』では柊キライ「ラブカ?」のカバーをソロで堂々と歌い上げ、オーディエンスを驚かせている。「想い人」歌唱後のブログでは、「(歌を)自分の武器にしていきたい、歌でお仕事をいただけるような存在になりたい、と目標を持ちました」(※4)と綴るほど、本人も手応えを感じていたのだろう。昨年末の『日向坂46 冬の大ユニット祭り”X'masスペシャル”』でBoA「メリクリ」を熱唱した際には、メンバーが思わず涙を流すほどの歌唱力で魅了し、おひさま(ファンの総称)から「カバーアルバム出して」「ソロライブをやって」などの声も相次いだ。

 そうした2021年の反響からか、2022年は「歌をがんばる1年にしたい」(※5)と宣言し、6月にはついに初のソロライブ『MTV LIVE SESSIONS: Kyoko Saito from Hinatazaka46』がMTV独占で放送。中森明菜「禁区」や緑黄色社会「LITMUS」など女性ボーカリストの曲だけでなく、RADWIMPS「なんでもないや」やKing Gnu「Teenager Forever」まで、幅広い楽曲によって“ボーカリスト・齊藤京子”の魅力が最大限に引き出されたライブとなった。7thシングル曲「僕なんか」をリリース前に、センターではない齊藤が「THE FIRST TAKE」でソロ歌唱するというのも、彼女にしかできないことだと思う。

日向坂46 - 僕なんか / THE FIRST TAKE

 そう考えると、日向坂46ではユニット曲でも期別曲でも、まだセンターを担当していなかったことは意外だ。憧れだった『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)出演や東京ドーム公演を経験し、高校生の時にファンレターを書いたふなっしーとも間接的に『キョコロヒー』で共演、さらにその『キョコロヒー』の全国放送も決まるなど、夢を叶えながら日向坂46の顔としてますます躍進している齊藤。そんな彼女が最後の宝物とも言えるセンターを、渡邉美穂卒業後の新たなスタートラインになる大事なシングルで請け負うことは、とても意義深い。その姿は「それでも歩いてる」の頃に重なるかもしれないが、経験値はあの頃と全く違う。歌を通して成長した齊藤京子がセンターに立つシングルがどんな作品になるのか、今から楽しみで仕方ない。

※1:『山崎怜奈の誰かに話したかったこと。』(TOKYO FM/2022年3月9日放送)
※2:齊藤京子1st写真集『とっておきの恋人』
※3:『EX大衆』2021年11月号
※4:https://www.hinatazaka46.com/s/official/diary/detail/41233?ima=0000&cd=member
※5:『BRODY』2022年2月号

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