日向坂46 齊藤京子×ヒコロヒーによる『キョコロヒー』が支持される理由 約1年の歳月が育んだコンビ愛
日向坂46の齊藤京子とヒコロヒーの人気トークバラエティ『キョコロヒー』が、来週6月29日に1時間スペシャルとしてオンエアされる。2021年にテレビ朝日のエンタメ番組枠「バラバラ大作戦」の午前2時台からスタートし、わずか半年で「スーパーバラバラ大作戦」の24時台に昇格。トークイベントを開催するなど人気を博し、番組の規模が拡大している。
2人にとって初の冠MC番組となった『キョコロヒー』は、天然で物怖じしない齊藤京子と、それを冷静に捌くヒコロヒーのちぐはぐな掛け合いやコンビネーションが最大の魅力で、齋藤の素の魅力が十二分に引き出された番組として放送開始当初から話題となった。こういったバラエティ出演時の齊藤は、ゲラではあるものの、グループの中では比較的口数が少なく、たまに出る天然発言のインパクトで笑いをとっていくタイプだが、もともと物事に対してハッキリと意見を言う性格で、忖度のない発言が賛否を巻き起こすこともしばしあった。そんな齊藤とタッグを組んだのが、キャリア10年を誇る「国民的地元のツレ」ことピン芸人のヒコロヒー。酒とタバコを愛するやさぐれキャラで、彼女ならではの皮肉な目線でネタにしていく芸風だが、空気を読んだフォローもできる勘の鋭さを持ち、泉ピン子も一目置く芸人だ。
深夜2時台の頃は「ダンスの魅力」を掘り下げていく番組だったが、内容の半分以上がダンスとは関係のないトークが中心。齊藤は思ったことをそのまま発言して相手を絶妙にあおるだけでなく、スタッフから「私生活が垣間見えるスマホの写真を見せてください」とお願いされた際に「私はないです」と言い切ってしまうなど、バラエティのセオリーを無視するような自由さを見せる。そんな我が道を行く齊藤のトークを何とか拾って笑いに持っていくヒコロヒーという構図だが、途中からは半ば傍観するように「シャバいのぉ」と突き放したり、常識を教えるように説教するなど、嬉しそうに語る齊藤と苦笑いのヒコロヒーというズレの構図が面白さに繋がっていた。
そんな2人のナチュラルなテンション感が深夜番組の視聴者層にハマったと言える。ある種ドライな関係性があったからこそ、番組一の名場面といえる、齊藤が得意げに自前のキントーンに乗る姿を、無言で見守るヒコロヒーというシュールな光景を生んだ。そういった齊藤の新しい一面が引き出せたのも、ヒコロヒーの受けの美学があったからだろう。