草なぎ剛、『はっぴょう会 2』で見せたギター少年のままの笑顔 miwa、和田唱との達成感に満ちた共演も

草なぎ剛『はっぴょう会 2』レポ

 「もうボロボロでした」。2時間弱のステージで草なぎ剛はそう何度も口にした。はにかんだ表情で話しつつも、その表情には悔しさが滲み出ている。それでも、アンコールを終えてステージから去る時の草なぎの顔は、達成感に満ちていた。

 『草彅剛のはっぴょう会 2~Neo Vintage~』と題したイベントが8月31日、9月1日の2日間にわたりLINE CUBE SHIBUYAにて開催された。“2”と付けられているように、同様のイベントは今回が2回目。前回は2019年11月であったことから、約3年ぶりの開催だ。度々自身のYouTubeやTwitterでギターを弾く姿をアップしている草なぎだが、有観客で、しかも新しい地図のNAKAMAである香取慎吾、稲垣吾郎が隣のいない状況でのステージは久々ではないだろうか。

 足を運んだ初日公演、一人登場した草なぎがスタッフからギターを受け取り、ドラムとキーボードをバックに「はっぴょう会のテーマ」からスタート。タイトル通り、イベントのテーマ曲として『はっぴょう会』、そして自らとギターについてを歌う。本人の緊張感がそのままギターを伝って満員の会場にも伝播していく。少しヒリヒリとした幕開けだが、そこは草なぎ剛。続くブルースロック調の「オレとヤツのウタ」でしっかりと巻き返す。観客よりもフレットを握る左手を眺める時間が長い、そこにはプロフェッショナルでありながらもギター少年のままステージに立つ、純粋無垢な草なぎの姿があった。

 新しい地図の3人が主演を務めた映画『クソ野郎と美しき世界』撮影時に作ったという「クソ野郎と黄金の右腕」、草なぎも出演したドラマ『拾われた男』(NHK BSプレミアム/Disney+)の撮影で訪れたアメリカ・カラマズーでの体験から選曲したジョン・デンバー「Take Me Home, Country Roads」のカバーなど、ギターの魅力を伝えるためのアレンジや選曲に観客も手拍子で応える。途中、MC中に「ごめん、水飲むね」「ちょっと水飲む!」と突飛なタイミングで水分補給をする姿も一興。マスク越しに満面の笑みを浮かべる観客の温かい眼差しを受けて、草なぎもリラックスしたようだ。

 そして、この日1人目のゲストであるmiwaが登場。「miwaちゃん! 来てくれてありがとう! 最高!」とハイテンションで迎え入れる草なぎ。一人ギターを弾いて歌っている人をリスペクトしている草なぎにとって、アーティストキャリアでは後輩のmiwaも憧れの対象なのだ。そんな熱量の高い草なぎが後ろで見守る中、「don't cry anymore」「441」を弾き語りでパフォーマンス。流れるようなギターストロークと力強くも繊細な歌声がLINE CUBE SHIBUYAに響きわたる。また、『はっぴょう会』のコンセプトに合わせ、miwa自身が初めてテレビで演奏したというシンディ・ローパー「True Colors」のカバーも披露。最後は草なぎのリクエストに応える形で「ヒカリへ」を2人で弾き語る。通常であればリズムギターを務める草なぎがリードするが、miwaが同楽曲の特徴でもあるギターのアルペジオを正確なテンポで刻むことで支える。『はっぴょう会』らしい瞬間をmiwaのステージから感じることができた。

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