草なぎ剛、『はっぴょう会 2』で見せたギター少年のままの笑顔 miwa、和田唱との達成感に満ちた共演も

草なぎ剛『はっぴょう会 2』レポ

 もう1人のゲスト、和田唱(TRICERATOPS)が登場すると「唱くん!」と喜びを隠せない草なぎ。今回のイベントで音楽監督も務めた和田は、草なぎとの最初の打ち合わせの際に意気投合、そのままビンテージギターを買いに行ったエピソードも飛び出す。「(観客の)皆さんより唱くんに見られるのが緊張するよ!」と、ギターの師匠でもある和田との関係性が会話だけで十二分に伝わってくる。

 そんな和田のステージは、ジャズピアニスト エロール・ガーナーの代表曲「Misty」のカバーから幕開け。原曲はピアノ演奏によるものだが、その美しいメロディは数多くのギタリストを魅了している。演奏後、和田は「あとで(「Misty」を)調べてみてください。すごい良いカバーがたくさんあるので」と、なかなか触れることがないであろうジャズのクラシックを丁寧に薦める。これもまた『はっぴょう会』ならではのワンシーンだ。そこから「THE GREAT ESCAPE」「Home」とTRICERATOPS、自身のソロ曲をパフォーマンスした後、いよいよ草なぎとのコラボパートへ。選曲されたのは、草なぎも大好きだというTRICERATOPS「シラフの月」。アルペジオのリフレインが印象的なミドルナンバーで、シンプルでありながらも言葉数が多いためか、ギターで弾き語るにはレベルの高い楽曲だ。ここでも和田が師匠として草なぎをサポートしつつ、草なぎ自身も好きな歌を本人と演奏できる喜びを噛み締める。難曲を見事フルコーラス演奏しきった草なぎの顔は、悔しくも充実した表情で輝いていた。

 草なぎのみの弾き語りで再び「はっぴょう会のテーマ」を披露すると本編は終了。アンコールにはmiwaと和田も登場し、3人でTRICERATOPS「Raspberry」を演奏。間奏のギターソロでは、草なぎ、miwa、和田がそれぞれ弾き繋いでいく場面も。ミスタッチもありながら精一杯「Raspberry」と向き合う草なぎ。その姿をmiwaと和田も自分ごとのように見つめていた光景からは、2人もギターを弾き始めたころを思い出していたのではないかと感じた。

 そして草なぎは「本当にギターを好きになってよかった。みなさんも好きなものを見つけて、人生をよりよいものにしていただけるといいなと思っています」と胸の内を明かす。最後は草なぎ剛としての歩みを投影した「みち」を弾き語り、初日は幕を閉じた。「『はっぴょう会3』でお会いしましょう!」と最後に口にしたその目には、達成感とともに、いつまでも変わらない少年のままの向上心が宿っていた。

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