Snow Man 岩本照、ミュージカル出演で磨かれた歌声や表現力 新たなステージで身につけたこれまでとは異なる“華”

 8月11日から9月4日までの東京公演(東京国際フォーラム ホールC)を終え、本日9月9日から9月15日まで大阪公演(オリックス劇場)が行われるミュージカル『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』。この物語の主役である天才詐欺師のフランク・アバグネイル・ジュニア(以下、フランク)を演じるのは、本作がミュージカル単独初主演となるSnow Manの岩本照だ。フォトコールの様子がすでに各ワイドショーで取り上げられ、ゲネプロの様子も各媒体でレポートされるなど、注目を集めている。

 本作では16歳の少年を演じる岩本。実年齢よりも13歳も歳の離れた役どころである。様々な手口で人々を騙していく人物ではあるが、観ていてワクワクするような、憎めない小粋な男の子の役を持ち前のキュートさを存分に活かし、とてもチャーミングに演じている。アイドルとしてのパフォーマンスではクールな印象が強い分、フランクとしてのその姿がとても印象的に映った。また、髪色も明るい栗色といった感じで、普段から見ると珍しい印象を受けるとともに、みずみずしい少年らしさが感じられた。

 このミュージカルは「Live In Living Color」という曲に合わせ、フランクが「僕の人生、見せてあげるよ」と歌い出すオープニングで幕を開ける。その後「スポットライト!」と声を上げると、ライトが一点集中に降り注ぎ、ステージの中央、つまりは「0番」に堂々と立ち、歌い踊る姿をみとめることができる。フォトコールでも披露され、ワイドショーでも取り上げられた、この作品の印象的なナンバーだ。バク転なども交えながら踊る姿からは、普段の存在感はそのままに、普段とはまた違う種類の「華」を感じた。

 岩本の持ち前のスタイルの良さも、ステージとの相性がとても良い。フランクは詐欺師として何回も姿を変えるためにさまざまな衣装に袖を通すが、どんな姿もきまっていた。白いシャツ1枚にしても、華を感じるような「ステージの似合う人」という印象だ。

 また、SNS上で「#キャッチミーイフユーキャン」 というハッシュタグを見ると、沢山の人が様々な視点で注目しているのが「歌声」である。私自身も観劇した際、普段とは異なる歌声に聴こえた。

 その根拠といえるであろう彼の隠れた努力は、本作の生オーケストラを率いる指揮者、上垣聡氏の公式ブログに綴られていた(※1)。1カ月で五音ほど高いところまで出せるようにしたという声は、とても伸びやかで安定していて元々持っていた「甘い声」が、よりふくよかな魅力を持ったように感じた。また、以前ミュージカルに出演する日に変声期を迎えてしまった苦い思い出があると、少し不安げに、だからこその挑戦でもある、と語っていた岩本の努力が全面に感じられた(※2)。岩本照といえばダンスの印象がとても強いが、歌もこんなに素晴らしいのだと多くの人が感動したのではないだろうか。

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