堂本剛、恒例の『平安神宮 奉納演奏』で伝えた「ネガティブ ポジティブ」というテーマ ソロデビュー曲「街」から最新曲まで披露

堂本剛、恒例の『平安神宮 奉納演奏』レポ

 2022年9月3日19時過ぎ、すっかり陽が沈んで辺りが暗くなってきた頃、曇りがちな空模様の中、初回から数えて12回目の『堂本剛 平安神宮 奉納演奏』2日目が開催された。今年のテーマは、「ネガティブ ポジティブ」。そのテーマに沿ってセットリストと演出が構築された公演が始まった。

 この日、最初に披露された楽曲は「街」。同楽曲は、堂本剛のソロデビュー曲だ。今年は堂本剛のシンガーソングライターデビュー20周年イヤーということもあり、「街」から始まる奉納演奏に意義深いものを感じてしまう。「街」はこの日のパフォーマンスの中でもっともシンプルな構成となっており、演奏はピアノの伴奏のみ。照明は紫色に近い色合いでシンプルに堂本剛を照らす構図になっていた。地元にいた自分と、東京にいた自分がそれぞれの自分に対して言葉を送る「街」の歌詞構成が「ネガティブ ポジティブ」というテーマを際立てていく。

 「街」が終わるとステージは暗転し、一時闇に包まれていった。そこから様々な色の照明が自由自在にステージ上で展開されていく。そんな景色の中で歌唱されたのは、不用意に傷つけることへの悲しみと、お互いへの愛を問いかける「LOVE VS. LOVE」。伸びやかで憂いのある堂本剛の歌声が、切なくも力強く響く。

 続いて繰り出されたのは、ディスコ調のリズムが印象的なファンクビートソング「Everybody say love」。冒頭はじっくり聴き入りたくなる楽曲が多かったため、この曲で会場内の空気がぐっと変化し、オーディエンスもリズムに合わせて音楽を楽しむ空気感が醸成されていく。次に披露された「Rain of Rainbow」は本公演バージョンにアレンジされており、BEAMTWISTERを使用したカラフルなビームとの融合でより劇的になる。四方に飛んでいくビームが視覚的な芸術を生み出し、横一列に並んだ噴水は優雅な水柱を作り出すなど、このステージでしか作れない幻想的な空間を音と景色で生み出していった。

 さらに圧巻だったのは、「TUKUFUNK」。ここでは「愛 get 暴動 世界!!!」や「AGE DRUNKER」「FUNK TRON」といった堂本剛の代表曲を丁寧に織り込んでいき、曲の繋ぎという概念を超越するような楽曲構成を展開していく。また、堂本剛がギターをプレイする場面もあり、メタルロックと和のテイスト融合させたパワフルかつ耽美なリフが印象的で、美しさと迫力を感じさせた。「I'm gonna show U how 2 FUNK」でも、「HYBRID FUNK」と「NARALIEN」を丁寧に織り交ぜる。堂本剛はファンクなベースを華麗にプレイし、ここでも無二のグルーヴを感じることになる。ステージ上ではプロジェクションマッピングのような形で、四季を思わせる映像が投影されていたのも印象的で、生命の誕生とその移り変わりを表現するような光のアートが観る人の感性を揺さぶった。

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