坂本遥率いるMEMEMION、試行錯誤の中で生まれた実験的な音楽 時代を反映するポップバンドとしての信念

MEMEMION、ポップバンドとしての信念

 エドガー・サリヴァンのメンバーとして、そしてスタジオミュージシャンとしても活躍する坂本遥を中心に結成された5人組、MEMEMION(ミームミオン)。これまではあくまでギタリストだった坂本が自身で曲を書き、歌うこのバンドは、彼自身の頭の中にある思想やメッセージが初めて具体的な言葉とメロディを伴って表現されたという意味でもとてもおもしろいし、それ以前に個性がぶつかり合って新たな音楽を生み出すユニークなメカニズムとしてとても新鮮だ。

 ロック、ブルース、ジャズ……それぞれルーツもバックグラウンドも違う5人が集まり、持てる武器を繰り出しながら作り上げていくグルーヴは、聴けば聴くほどクセになる。なぜ坂本はこのバンドを始めたのか、そこで彼らが表現したかったこととは何か。2021年春の結成からもうすぐ1年半、その歩みの集大成である1stフルアルバム『イマジネーション』を読み解きながら、この個性的でポップなバンドの正体に迫った。(小川智宏)

思うようにはいかなかったっていうのが正直な感想

――去年の春に結成して、もうすぐ1年半ぐらいになると思うんですが、ここまでの道のりを振り返ってみていかがですか?

坂本:まあ、華々しくはなかったですね。僕の視点から見ると、今までやってきたバンドがあって、これまで僕がやってきたことの集大成みたいなことを後輩たちに声をかけて一緒にやろうっていうので始めたんです。それで1年でとんでもないバズり方をしようと思っていたんですけど、思うようにはいかなかったっていうのが正直な感想ではあります。

キュアかいと:なんか年間計画表みたいなものを作ってきてくれたんですけど、なんか2年とかで「あれ、もうこんなでかいところでやるの?」みたいな感じでした(笑)。

坂本:このアルバム出したライブがQUATTRO(SHIBUYA CLUB QUATTRO)で、その年の年末にLIQUIDROOMっていう計画を置いていたんですけど、そう簡単にはいかなかったところも含めて面白かったなって。

――みなさんは何を感じながら活動してきました?

かいと:結構早かったなと思って。そのわりにはMVも結構出して、フルアルバムができて。何かやることはちゃんとやっているんじゃないかなと思います。それを1年に凝縮していたからやることは多かったけど、なんだかんだいろいろ実験的にみんなで楽しくできたんじゃないかな。

小栢:特に最初、バンドが動き始めたときは、僕も復帰直後でまだ使い物にならなかったんです。

坂本:ほんと、使い物にならなかったですよ。

かいと:ルームシェアしてたんですよ、最初。遥以外の4人で住んでいて。仕事から帰ると、朝、俺が出るときにいた位置から動いていないんですよ。ソファにうつ伏せになってて。

――あ、「使い物にならない」ってそういう意味?

小栢:本当に廃人でした。でも遥が仕事を各々に振ってくれるようになって。たとえばSNSはこの人とか、「ホームページ更新してね」とか。そういう流れになってから「あれ、そういえば俺、これやったことあるな」みたいなことがすごくあって。DEZOLVEというインストバンドで活動していたときは僕がリーダーとしてマネジメントも全部やっていた時期があったので、そのノウハウって意外と活かせるんじゃないかなって気づいたんです。今はすごくいい方向に向かってるのかなとは思ってるんですけど、どうでしょう?

坂本:最寄りのコンビニから酒をUber(Uber Eats)していた時期よりはだいぶよくなったと思うよ。

小栢:1日3回Uberしてましたからね、家から出られなくて。金がどんどんなくなってくるんですよ。

――じゃあ、リハビリだったんですね。

小栢:リハビリ期間だったのかもしれないです、僕にとっては。本当にみんなに支えられて、ちょっとずつできるようになってきているので。いい仲間に巡り合ったなって思います。

――桑久保さんはどうですか?

桑久保誠(以下、桑久保):人生いろいろあったんですけど、このMEMEMIONっていうバンドができたことが俺の人生の中でいちばん大きな出来事で。大学中退してただのフリーターだったんですけど、ある日、友達と麻雀してたら遥さんから電話がかかってきて「バンド組もうよ」って言われて。それで入ったわけですけど、送ってくる音源もすごくて。写真撮影とか、スタジオに入ってリハーサルとか、MV撮るとか、そういうのも初めてのことだし。すごい新しい世界と出会えて。今も朦朧としてますね。

――竹村さんはここまでの1年半、どうでした?

竹村仁(以下、竹村):僕は音楽始めてからバンドをやったことなかったんで、これが初めてなんですけど、なかなか刺激的でしたよ。大変なことはかなり多いですし、1人でやってるわけじゃないんでめんどくさいなと思うこともいっぱいありますけど、ギリギリ何とかやってきてる。このバンドをやったおかげで、別のところで昇華できることもあったし、それもすごくいいなと思います。刺激がかなり多いような気がします、個人でやっているよりも。

――バンドをやる中でのいちばんの喜びって、竹村さんの場合はどういうところにあるんですか?

竹村:うーん……今回もアルバムが出るんですけど、終わった瞬間はやっぱりほっとしますよね。アルバムを作るというのも初めてだったので、まずそこで安心と喜びがありました。あとはでも、このメンバーはやっぱりプライベートがおもしろいなと僕は思ってます。

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