コナン・グレイ『スーパーエイク』クロスレビュー:ライター2名が紐解く、“Z世代のアイコン”の真の姿
傷つき、悩み、希望を掴もうとする姿(小松香里)
2019年、19歳の時にセルフリリースした初めての楽曲「Idle Town」のミュージックビデオがYouTubeで2000万再生回数を超える大ヒット。以降、テイラー・スウィフトやBTSのV、The 1975のマシュー・ヒーリー、エルトン・ジョンといった幅広い層のスターから支持されているコナン・グレイ。ビリー・アイリッシュ、オリヴィア・ロドリゴとは友人であることもよく知られている。
コナンの楽曲の魅力というと、繊細で情感豊かな歌声、美しいメロディ、シンプルで上質なサウンドプロダクションと枚挙に暇がないが、一番は自身の感情を赤裸々に綴った歌詞だろう。
9歳の時にYouTubeを始めた理由は、孤独感からだとコナンは明かしている。日本人の母親とアメリカ人の父親のもとに生まれ、頻繁に引っ越しをし、人種差別からくるいじめも経験したそうだ。「Idle Town」では、「この街が変わることはない 誰が来て去っていっても、いつも一緒」と、10代のほとんどを過ごしたテキサス州ジョージタウンでの日々の退屈さ、都会への憧れを歌い、Z世代の心を鷲掴みにした。
2020年にリリースした1stアルバム『Kid Krow』に収録された代表曲「Heather」では、主人公の片思い相手が夢中になっている完璧な女の子=ヘザーに対する愛憎を歌い、TikTokを起点に大ヒット。つい蓋をしたくなる心の奥底に潜んでいる感情を、隣で囁いているかのような親密さのある歌声で解き放ち、より支持を強固なものにした。
コナン自身、曲を書く行為を「日記を書くようなもの」と表しており、その歌詞を見ればその時々の心情が手に取るようにわかる。リリースされた2ndアルバム『Superache』は、アルバムタイトルが示している通り、たくさんの痛みが綴られている。痛切な恋愛感情、友達への微妙な想い、両親への愛憎……その根底には深い人間愛が存在している。10代の焦燥感、怒りといった感情が存在していた『Kid Krow』からの変化がうかがえるし、そこで映し出されるコナンの姿は多くの聴き手と同じく、傷つき、悩み、でもだからこそ夢を見て、希望を掴もうとする。鮮明なドキュメンタリーのような楽曲は、ヒリヒリするほどリアルだ。
■リリース情報
コナン・グレイ
2ndアルバム『スーパーエイク』
発売中
歌詞対訳解説付き / UICU-1336 / 2,750円(税込)
国内盤CD初回生産分のみ抽選特典付き
https://umj.lnk.to/ConanGray_Superache
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