ボーイズグループは夏フェス常連になるか BE:FIRSTの複数出演を機に考察
2022年の夏フェスとして特筆するべきことの一つはボーイズグループの出演だろう。オーディション番組参加者によって結成されたOCTPATHが『SUMMER SONIC 2022』に出演、ジャニーズからはジャニーズWESTが『METROCK 2022』に初出演、台風で出演日の公演は中止になったものの、関ジャニ∞も『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2022』への初出演が予定されていた。
その中でも、BE:FIRSTは積極的に音楽フェスに出演している。『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2022』に『SUMMER SONIC 2022』にと日本を代表する大規模フェスに出演し、『FUJI ROCK FESTIVAL '22』でもジョナス・ブルーのステージにゲスト出演していた。今まで、音楽フェスに積極的に出るボーイズグループは少なかった。しかしデビューしてから1年弱のグループが、3大音楽フェスへの出演を成し遂げたのだ。彼らの集客力への期待はもちろん、プロデュースをしているのが多くの音楽フェスに出てきたSKY-HIで、彼への信頼があるということも理由の1つなのかもしれない。「SKY-HIが作ったグループ」ということで、今までボーイズグループに興味がなかった人にも受け入れられる土壌があった。だからこそ主催者側も彼らを信頼し、ファン以外の観客にもライブを観たいと思わせたのだろう。
ボーイズグループが音楽フェスを席巻する流れは、Perfumeが人気を集め、音楽フェスに出演するようになった流れと似ている。Perfumeは2007年に「ポリリズム」がヒットした際、音楽ファンは「CAPSULEの中田ヤスタカがプロデュースしている」という部分でも注目していた。当時から中田の作る音楽、そしてCAPSULEは評価されていたからだ。そして当時としては異例の『SUMMER SONIC 2007』への出演を果たし、冬には『COUNTDOWN JAPAN 07/08』に、翌年の夏には『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2008』に出演した。それ以降は音楽フェスの常連となり、2013年の『ROCK IN JAPAN FESTIVAL』ではメインステージの大トリを務めている。彼女たちのフェス出演の影響に加え、多くの女性アイドルグループが誕生し「アイドル戦国時代」と呼ばれるほどのブームの影響もあったのか、2012年以降はBABYMETALやでんぱ組.incも音楽フェスの常連となり、『SUMMER SONIC 2012』ではももいろクローバーZのパフォーマンスが話題になっていた。2015年結成の欅坂46(櫻坂46)はデビュー直後から音楽フェスに出演し爪痕を残している。今では女性アイドルや女性グループの音楽フェスへの出演は定着しており、珍しいことではないのだ。それに近い流れがBE:FIRSTの活躍によって、ボーイズグループにも生まれる予感がする。