櫻坂46、日向坂46からバトン受け取り『W-KEYAKI FES. 2022』完結 尾関梨香&原田葵が卒業、グループの現在地伝えた公演に

櫻坂46『W-KEYAKI FES. 2022』レポ

 さらに、卒業する2人のリクエストにより実現したのが「コンセントレーション」「カレイドスコープ」のパフォーマンス。欅坂46時代末期に発表されたこの2曲は、無観客配信で行われた『THE LAST LIVE』(2020年10月)でたった一度披露されたのみ。観客を前にしたパフォーマンスは、これが初めてとなる。そんな貴重な楽曲披露に際し、尾関を中心とする「コンセントレーション」チームはシックな出立ちで高難易度のダンスをクールに提示し、原田を含む「カレイドスコープ」チームはキュートさがにじみ出たポップなパフォーマンスで観る者を虜にした。

 ウォータースクリーンに“青い月”を映す演出が映える「ブルームーンキス」、情熱的な曲調に合わせて会場が赤一色に染まる「恋が絶滅する日」、センターの森田が白いワーゲンから登場する「車間距離」でライブは一気に佳境へ。激しくキレの強いパフォーマンスをフィーチャーしたダンストラックを経て、「流れ弾」で一気にクライマックスへ突入する。もはや雨であることを忘れるほどの激しさを伴うパフォーマンスは、続く「BAN」へも引き継がれ、曲中に森田が「まだまだいくぞ!」と煽る一幕も。こうして盛り上がりが最高潮を迎えたところで、ライブ本編は幕を下ろした。

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 アンコールでは、いよいよ尾関&原田の卒業セレモニーが執り行われる。グループ加入時から現在までを振り返る映像を経て、まず白いドレスを着た原田がステージに登場。彼女は「3年前にこの場所で復帰したとき、多くの方が拍手と歓声とともに、温かく待っていてくださったことが本当にうれしかったです。そのとき、絶対にファンの皆様に直接お会いしてお礼を言って、笑顔になってもらうまで卒業しないぞと思い、グループに復帰しました」と、『欅共和国2019』でグループに復帰した頃を振り返る。そして、メンバーやスタッフ、ファンへの感謝の言葉とともに「卒業を決めて、今まで当たり前のように感じていたものが最後を迎えるにつれて、わかってはいたものの、これまでやらせていただいてきた一つひとつのお仕事の大きさ、そして本当にキラキラした時間を過ごしてきたことを改めて感じました」と語り、「ここにいなかったら出会えていなかった人や場所、感情がたくさんあって、ここにいたからこそ手放したくない宝物がたくさんできました。ですが、もっともっと成長するため、一人の素敵な人となれるよう、卒業してからも精一杯真っ直ぐ歩いていきたいと思います」と涙ながらに宣言した。

 続いて、赤いドレスに着替えた尾関が姿を現し、「7年前、グループに加入した私は、皆さんが思うアイドルらしさ全開ではなかったかもしれません。もっと可愛らしくいたいなと、時には自分のキャラクターに悩んだこともありました。だけど、皆さんとお話しすると『いつも自然のままの尾関が好き。ありのままでいてね』と言ってくださったので、ずっとずっと私らしい“尾関スタイル”で居続けることができました」とファンへ感謝を告げる。また、同期と過ごした7年間の絆や、可愛い後輩ができた喜びなども口にしつつ、最後は「生きていく上でたくさんいろんなこともあると思いますが、どんなときも自分を大切にして、ずっと笑っていてください。約束です。それから、大好きな櫻坂46をこれからも、Buddiesの皆さんで守り続けてください。心から本当に皆さんに出会えて幸せでした」と締めくくった。

 その後、ステージに小池が登場すると2人で「音楽室に片想い」「バスルームトラベル」を、さらに原田と上村莉菜を加えた4人で「バレエと少年」と、欅坂46時代のユニット曲を連発する。クールさやダークな側面が取り沙汰されることの多い欅坂46だが、こうしたキュートで良質なポップチューンも多数存在するという事実を忘れてはならない。

 4人でのパフォーマンスを終えると、ほかのメンバーもステージに合流。すると、卒業する2人へのサプライズとしてメンバーからメッセージと花が贈られることに。ここでは二期生から「おぜさん」「あおたん」と愛称で呼ばれているあたりに、いかに2人が後輩と密な関係を築いてきたかが垣間見える。と同時に、同期メンバーからも「2人がいなかったら、自分は今ここにはいない」という言葉が上がる。2人は最前線で華々しく活躍するタイプではなかったが、そんな彼女たちだからこそ裏では同期や後輩への気配り、気遣いという大きな役割を担っていたのではないか。2人への愛情に満ち溢れたメッセージを聞くたびに、尾関と原田という替えの効かない重要メンバーの卒業に寂しさを禁じ得ない。

 欅坂46結成から7周年の節目を目前に、グループとは別々の道を歩むことになる尾関と原田。しかし、そんな2人に向けて菅井は「私たちみんなファミリーだから。そういう気持ちで2人のこれからを皆さんと応援して、見守っていけたらなと思います」と、この先も関係は変わらないと告げる。これも、共に苦難を乗り越えた一期生だからこそ言える、説得力の強い言葉かもしれない。そんな優しい思いを胸に、最後は「危なっかしい計画」で夏の野外ライブらしいはしゃぎっぷりを見せ、約3時間におよぶライブを締めくくった。

 日向坂46からのバトンを受け継ぎ、『W-KEYAKI FES. 2022』を完結させ、なおかつ大きな節目のタイミングに初期メンバー2人の卒業を迎える。9月末からは待望の全国ツアー『2nd TOUR 2022 “As you know?”』もスタートし、11月8、9日には櫻坂46としては初、欅坂46時代から数えると約3年ぶりとなる東京ドーム公演も控えている。櫻坂46が紡ぐドラマチックな日々は、今後もさらに更新されていくことになりそうだ。

■セットリスト
櫻坂46『W-KEYAKI FES. 2022』振替公演
2022年8月20日(土)富士急ハイランド コニファーフォレスト
01. 太陽は見上げる人を選ばない
〜Overture
02. Buddies
03. なぜ 恋をして来なかったんだろう?
04. Microscope
05. それが愛なのね
06. 偶然の答え
07. 五月雨よ
08. 思ったよりも寂しくない
09. 無言の宇宙
10. コンセントレーション
11. カレイドスコープ
12. ブルームーンキス
13. 恋が絶滅する日
14. 車間距離
15. 流れ弾
16. BAN
<アンコール>
17. 音楽室に片想い 〜 バスルームトラベル
18. バレエと少年
19. 危なっかしい計画

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