乃木坂46 弓木奈於&金川紗耶、“初の選抜入り”を引き寄せたポイントは? それぞれのハイライトを振り返る
乃木坂46の弓木奈於と金川紗耶が、8月31日リリースの30thシングル『好きというのはロックだぜ!』にて初選抜入りを果たした。
現在、乃木坂46では1年半、5作品にわたって4期生メンバーの初選抜が続いている。2021年1月リリースの26thシングル『僕は僕を好きになる』での清宮レイと田村真佑を皮切りに、27thシングル『ごめんねFingers crossed』では早川聖来、28thシングル『君に叱られた』では掛橋沙耶香、29thシングル『Actually…』では柴田柚菜、そして30thシングル『好きというのはロックだぜ!』で弓木と金川が選抜入りとなった。残念ながら体調不良のため現在活動を休止中の早川は選抜から外れているものの、それ以外の4期生は選抜メンバーとして定着。田村に至っては30thシングルにて初の福神入りを果たし、センターの賀喜遥香を先頭に4期生の存在がより強く打ち出された作品となっている。
そんな選抜発表にて最初に名前を呼ばれた弓木は、遅れてグループに加入した4期生5人から初の選抜入りとなる。5人の中でも一際異彩を放っていた弓木。その目立った要素の正体は“弓木ワールド”と呼ばれる、彼女のぶっ飛んだワードセンスだ。
今年6月、Twitterに「#弓木奈於」がトレンド入りしたことがあった。単身乗り込んだ『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)で珍回答を連発したのだ。スタジオの空気を一変させたのは、「20年前の6月9日 DJポリスは何て言った?」という問題。サッカーW杯で日本代表が初勝利を決めた日に、渋谷に押し寄せたサポーターに向けて言った「あなたは『12番目の選手』でしょ? だったらきちんとルールとマナーを守ってください」が正解だが、弓木はお化けのジェスチャーを交えながら「あなたは『私のこと見えてるん』でしょ?」と答えたのだった。弓木は子供騙し的なニュアンスのつもりだったようだが、スタジオは爆笑の渦に。共演していた関ジャニ∞の横山裕が思わず「なにを言うてるの?」「同じクイズやってます?」とツッコミを入れたほどだ。
そこから司会の南原清隆も弓木のキャラをはっきりと理解し、彼女へ積極的に振るようになる。「石窯焼きホットケーキ」の食レポでは「甘い香りが鼻に透き通って鼻炎治りそう」とスタジオを困惑させ、『乃木坂スター誕生!LIVE』の告知に来たのにも関わらずカメラにひたすらアピールするだけの時間を作ったり(これはオンエアを観ていた母親にも笑われたとのこと)と立て続けに事件を起こし、番組終わりのコメントでも「もう本当に新参者なんですけど、みなさん優しくしてくださって、そろそろお家帰りたいと思います」と最後まで爪痕を残し続けた。
弓木の唯一無二の世界観は早くからファンの間で注目されていたが、いわゆる“外番組”でファン以外の層に広くリーチしたのはこれが初めてだった。坂道研修生の期間を経て、2020年2月にグループに遅れて加入した弓木は、同年10月に『沈黙の金曜日』(FM FUJI)のアシスタントMCに就任。昨年6月からは自身の冠番組『乃木坂46弓木奈於とやみつきちゃん』(ひかりTV)がスタート、今年4月には吉田綾乃クリスティー、金川との番組『東京パソコンクラブ 〜プログラミング女子のゼロからゲーム作り〜』(BSテレ東)が開始するなど、気がつけば多くのレギュラーを持つメンバーへと躍進している。
1期生で先輩にあたるが学生時代は同級生だった和田まあや、舞台『ナナマル サンバツ THE QUIZ STAGE O』での共演をきっかけに仲を深めた尊敬する先輩・鈴木絢音と、同期や後輩はもちろんだが弓木には先輩から愛される、不思議な関係性がある。月刊『ENTAME』2022年8月号で弓木と対談を行った鈴木は、弓木の面白さの理由を「『真面目だから』と気がついたんです」と話している。決して狙ってやっているわけではなく、そこが素敵なのだと。『沈黙の金曜日』で共演するアルコ&ピースの2人からの無茶振りに嫌がりながらも全力で応え、『乃木坂工事中』(テレビ東京系)の企画で「3代目頭NO王」に輝くものの、その解答のほとんどがオンエアされない“あんまり面白くない間違い”だったことにも頷ける(おそらく文面では伝わりにくかったという理由もあるはず)。その実直さは選抜入りを経て、すでにアンダーライブや『乃木坂スター誕生!』(日本テレビ系)で評価されているパフォーマンス面へとさらに表れていくことだろう。