関ジャニ∞メンバー分析 第3回:横山裕、バイタリティあふれる最年長 グループへの熱い思い秘めた努力家
台風の接近に伴い、出演予定だった『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2022』の開催が残念ながら中止となったが、急遽インスタライブで「ふりむくわけにはいかないぜ」をパフォーマンスし、ファンに寄り添った関ジャニ∞。グループとして紆余曲折を経て、デビュー18周年を記念したライブ『18祭』で初の日産スタジアムの舞台に立った5人の魅力について考察したい。シリーズ3回目は横山裕。
持ち前のトークセンスと気配り上手な一面
関ジャニ∞の最年長であり、美白と美肌のビジュアルで“奇跡の40歳”の異名を持つ横山裕。ジャニーズ事務所に入所したのは1996年。事務所入りする前からバイトで家計を支え、ジャニーズJr.時代には建設会社に就職していたこともある横山は家族思いであることも知られており、家族の思い出を綴った「オニギシ」「413man」といったユニット曲やソロ曲の作詞もしている。また、関東の人気絶頂のジャニーズJr.が揃った『8時だJ』(テレビ朝日系)に村上信五らとともに出演した際は、体当たりのゲームや流ちょうなトークを披露してアピールするなど、当時の関西ジャニーズJr.をけん引した存在でもある。
ライブでは村上との“ヨコヒナ”コンビでMCを担うことが多く、口数の少ないメンバーにはさりげなく話題を振るなど、気配り上手な一面がよく見られる。『きらきらアフロTM』(テレビ東京系)では、産休中の松嶋尚美のピンチヒッターとして笑福亭鶴瓶とMCを務め、トークセンスを発揮。鋭いツッコミやコメント力で好評を得て、バラエティへの足がかりを掴んだように思う。2011年から出演中の『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)でも数々のロケに加え、苦手だった料理に挑戦する「大ヨコヤマクッキング」コーナーなどで活躍し、お茶の間への知名度もアップ。現在では、メインMCの南原清隆(ウッチャンナンチャン)が不在の回も“横山キャプテン”としてトークを盛り上げながら進行することも。
また、2021年11月から放送開始した『ちまたのジョーシキちゃん』(関西テレビ)では、見取り図とともにMCを担当している。後輩・中間淳太(ジャニーズWEST)らレギュラー陣とゲストを交えた、テンションの高いトークを展開している。丸山隆平がMCを務める『サタデープラス』(TBS系)でも、新型コロナウイルスで療養中の丸山に代わって2週連続でMCを務め、「元気そうです」と丸山の順調な回復ぶりをファンへ伝えた。トークを盛り上げながらも、ファンへ寄り添う安定感のあるMC力を発揮している。
5人体制となったグループ内での寡黙な努力家ぶり
歌に対してやや後ろ向きだったという横山だが、『関ジャム 完全燃SHOW』(テレビ朝日系)で放送されたボイトレ特集の際に、安田章大の誘いでボイストレーナー・安倉さやかのレッスンに参加。レッスンを通じて歌に自信がついたようで、「キミトミタイセカイ」のレコーディングを終えると安堵の表情を浮かべていた。
ダンスにおいても、超がつくほど真面目な印象だ。『KANJANI’S Re:LIVE 8BEAT』完全生産限定盤に収録されたドキュメンタリー映像の中で、ライブ前の楽屋や廊下で度々ダンスの振りを確認している横山の姿を見ることができる。時には楽器を手に出番のギリギリまで確認を重ねるストイックな横山だが、一度ステージに立つとキレの良いダンスをクールな表情で魅せ、その姿に胸を打たれるファンも多いのではないだろうか。
そして、現体制の関ジャニ∞のサウンドに変化をもたらしたのが横山のギターである。これまでグループでは、パーカッションやトランペットを担当していた横山。しかし5人体制となったことで、ギター担当の安田が「メロディやって歌って大変やわ」とつぶやいたのを耳にしたことで「やるなら自分しかいない」とギターを手にしたと、前述のドキュメンタリーで明かされている。強い意志で努力を重ねてきたことを窺わせながらも、決して「大変だった」と横山が口にすることはなかった。
2021年9月に行われた無観客シークレットライブ『8BEAT SECRET LIVE』でギタリストとしての横山の姿に、衝撃に続いて感動と、何ものにも代えがたい安堵感を覚えたことを思い出す。多忙なスケジュールの中で、経験値ゼロからライブで演奏するレベルに到達するまでには、私たちの想像を遙かに凌ぐ努力があったに違いない。先日の『18祭』では、よりギターテクニックが上達した横山の姿を見ることができた。サウンドに厚みが加わったのはもちろんのこと、5人の奏でる新たな関ジャニ∞のサウンドが完成したのではないかと思う。