Kis-My-Ft2、『Two as One』で見せるデビュー12年目の多彩な表情 挑戦を経た7人は新たなフェーズへ

Kis-My-Ft2『Two as One』での多彩な表情

 8月17日、Kis-My-Ft2(以下、キスマイ)の29thシングル『Two as One』がリリースされた。およそ1年前に発表した前作『Fear / SO BLUE』とはまるで異なる世界観を表現した、彼らの新たな一面を提示する作品だ。それぞれが愛に向き合う姿を表現した「Fear」での挑戦から一転、「Two as One」では、タイトルの通り「2つで1つ」であることを表すペアダンスにも注目。多彩な4曲が収録されたニューシングルの魅力を、デビュー12年目とその先への期待も込めてまとめてみたい。

 表題曲「Two as One」は、優しい追い風を肌に感じる爽やかなラブソング。聴いているうちに、だんだんと胸が高鳴り、未来の方角へと歩み出したくなる。玉森裕太主演の金曜ナイトドラマ『NICE FLIGHT!』(テレビ朝日系)の主題歌としてもすでに愛されており、作中の恋愛模様に歌詞を重ねるリスナーも少なくないだろう。

 サウンドからは、曇りなく晴れた静かな大空が思い浮かぶが、1番で映し出されているのは、ここまで懸命に走り続けたメンバーが車を止めて一度立ち止まり、自分を見つめ直す姿と無機質な空間、そして雨。しかし2番に入ると、世界は静かに色づき、躍動していく。弾んでいくサウンド、衣装や空の色、瞳の輝き……すべてがさりげなく、主張しすぎることなく楽曲と連動しながら、優しい希望に満ちていく。縛られていたものから解き放たれ、自分らしい姿で前へ進んでいく、そんな等身大のグループの姿が映し出されている。

Kis-My-Ft2 /「Two as One」Music Video -YouTube ver.-

 本楽曲で特筆したいのは、雄弁なダンスパフォーマンスだ。ジャニーズJr.時代から舞台を多数経験してきたほか、役者として高い評価を受けるメンバー、純粋にダンススキルに長けたメンバー……過去のライブ映像を見ると、彼らは比較的早くから、本作に見られる叙情的な表現を取り入れていた。そうした側面を存分に活かせる楽曲が、表題としてリリースされるようになった近年。その背景には、積み重ねてきた月日と経験による説得力がある。音楽番組やライブで安定した歌声とダンスを届ける姿は、キスマイが次のフェーズに進んだことを感じさせる。特に『Luv Bias』以降、ミディアムナンバーのリリースが続いているが、惰性的には感じない。年齢やキャリアを活かしながら、都度、新しい表情を見せてくれている。

 シングルの初回盤Aに収録される「リボン」は 〈ありふれたくらいがちょうどいい〉〈小さなリボンかけるような日々〉と、誰と比べるでもない、自分達なりの「日常」が続いていくことの幸せに、改めて気づかせてくれる楽曲だ。ピアノが歌い、ときにボーカルとハーモニーを奏でる、ただただ優しいミディアムバラード。キスマイの素直な歌唱にも、心が安らぐ。YouTubeにて公開中のRecording Movieでは、マイクと向き合うそれぞれの表情や、歌い終わりの個性にも注目してほしい。

Kis-My-Ft2 /「リボン」Recording Movie -YouTube ver.-(「Two as One」<初回盤A>収録)

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