aespa、初の来日公演でファンと“SYNK” 完璧なパフォーマンスと親しみあるMCで興奮の渦に
続いて、前方のスクリーンに映像が投影される。映像では、SYNK OUT現象を解決するため、“BLACK MAMBA”と行き先が書かれた電車に乗り込むと、Black Mambaが作り出した“幻覚クエスト”で苦しむ4人の姿が。そしてここから物語は加速、会場にも緊張感が漂う。
映像が明け、グループの世界観を歌った「Next Level」。同曲は、映画『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』のサウンドトラックをaespa色で染め直したことでも有名だ。歌詞には“Black Mamba”を探すため、KWANGYAへ向かう彼女たちの姿が描かれているため、公演中に流れた映像と答え合わせするような感覚にもなる。ここで雰囲気を「YEPPI YEPPI」で一変する。様々なジャンルを行き来し、4人の多彩な音色を感じられる曲で、〈誰が何と言おうと私は綺麗〉という歌詞や、銀テープの演出で会場をぱっと明るくしていく。
MCではWINTERが「ここにいるみなさんとSYNKできてる気分ですね?」と呼びかけ、さらに会場を盛り上げる。そして、今後も日本のMYのために準備中のものがあるので期待してほしいと伝えた。
終盤に差し掛かり披露されたのは「Illusion」。強烈なベースとキックサウンドが特徴的なヒップホップダンス曲で、相手を魅了して飲み込むという気持ちを鬼火に例えている。そして物語を構成する「Savage」へと続く。サビで、黒い背景に4人だけが白いスポットライトに照らされているのが目に焼きついた。トラップジャンルの同曲は、中毒性のあるフックが印象的で、歌詞にはaespaがKWANGYAに進んで”Black Mamba”と対決する話が盛り込まれているのも押さえておきたい。
熱狂の渦に包まれるショーケースもいよいよ終わりを迎える。名残惜しそうに会場を見渡し、NINGNING、WINTER、KARINA、GISELLEの順に、日本語と韓国語を織り交ぜながらショーケースの感想やMYへの想いを語った。また、最後の曲までの時間を少しでも長くしようと、ゆっくり話して会場の笑いをさそう場面や、WINTERが「最後は嫌い。NO バイバイ」と言って観客の心を鷲掴みにしていたのも印象的だ。
最後を飾ったのは7月にリリースされたばかりの新曲「Girls」。強烈なウォブルベースと荒れたテクスチャーのシンセサウンドが目立つ1曲。これまでのタイトル曲に続き、aespaの世界観のストーリーが描かれているのもポイントだ。”Black Mamba”との対決に勝利した後、さらに成長した姿でnævisとともに新しいストーリーを続けていくという内容が含まれている。つまり“Black Mamba”との戦いは幕を閉じ、新しい物語が始まったということだ。パフォーマンスに注目すると、中毒性のあるフックのポイントダンスはもちろん、ボーカルとラップそれぞれが輝く曲だ。赤や黄色のライトはMVを彷彿とさせ、今回披露する最後の曲だったが、パフォーマンスの完成度は落ちることなくフィニッシュ。
曲が終わると、ステージの端まで行って1階から4階それぞれに「ありがとうございます!」と声を掛け、手を振ったり“ギャルピース”をしたりとMYのリクエストにも応えていた。ショーケース全体を通して、MYと積極的にコミュニケーションをとる様子を見ていると、彼女たちが来日公演を心待ちにしていたことが伝わってくる。
aespaは個性の強いメンバーが集まっているが、パフォーマンスになるとうまく調和してまとまりが生まれ、まさにこの4人にしか出せない雰囲気がある。初の来日公演で2日間・4万人を動員し、日本での人気も証明したaespa。今後も彼女たちの活動から目が離せない。
■セットリスト
1.ænergy
2.Black Mamba
3.Life’s Too Short (English Ver.)
4.Lucid Dream
5.Next Level
6.YEPPI YEPPI
7.Illusion
8.Savage
9.Girls