INI 藤牧京介&池﨑理人が楽曲に与える表現の幅 8月誕生日の2人のボーカルに注目

 そして、8月30日で21歳を迎える池﨑。11人でのトーク時は口数が多いタイプではないが、頭の回転の速さが窺える言動で爪痕を残している。とりわけモノマネのクオリティの高さはピカイチだ。そんな池﨑の最大の武器は、なんといっても低音ラップだろう。迫力ある彼のラップは、いまやINIの楽曲におけるトレードマークにすらなっている。持って生まれた声色が魅力的で、「Rocketeer」や「CALL 119」などのクールな楽曲にはもちろん、メロウなラップに変えれば「We Are」のような爽やかな楽曲にも合う。自分の良さをそのままに、曲に合わせて変幻自在にラップを操っている印象だ。その上で特筆したいのが、「聞き取りやすさ」である。『PRODUCE 101 JAPAN SEASON2』(GYAO!/TBS系)の中でラップトレーナーのKEN THE 390にも言われていたことだが、INIとして活動し始めてからより一層磨きがかかっている。池﨑のような低音ボイスの場合声が籠もってしまうこともあるが、歌詞を見ずとも何を言っているかがしっかりわかる。これは強みの一つと言えよう。また、「CALL 119」のラップのような言葉数が少ないリリックでも、しっかりグルーヴが生まれているのも池﨑のスキルに依るところが大きいのだろう。

 もちろん、オーディション時未経験だったダンスも大きく進化。オーディション中から急成長を見せていたが、今やTikTokにアップしたダンス動画が高評価を得るほど。かつて「違反ダンス」と言われていた人物と同じとは思えないほどだ。歌って踊れるラッパーとして、さらなる飛躍を見せてくれることにも期待したい。

 この2人に限らず、全員が進化し続けているINI。『M』ではどんな姿を見せてくれるのだろうか。新しい彼らの姿に期待しつつ、誕生日を機に藤牧と池﨑の成長に注目してみてほしい。

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