マハラージャン、音楽活動への覚悟滲ませたステージ ハマ•オカモトも登場したLINE CUBE SHIBUYAでの初ワンマン

マハラージャン、覚悟感じた初ワンマンレポ

 後半には「最近、恋愛の曲も書くようになって」というMCに始まり、「皆さん、別れた恋人の歯ブラシで便器をこすったことありますか? 僕はあります」と断言。「君の歯ブラシ」と対になる恋愛前のドキドキを歌う「その気にさせないで」を後に持ってくるのが切ない。曲調がフィリーソウル調であることも切なさを加速させていた。初ワンマンでこれだけ振り幅の広い楽曲を披露するだけでも、彼が今自分が見せられる全てを開陳する覚悟が伝わるのだが、寸劇まで盛り込んできたことには脱帽。まきやまはる菜(Ba)が姿を消したため、「すみません、どなたかベースを弾ける方はいらっしゃいませんか?」と客席に呼びかけると、結構な数の挙手が。すると一人の男性を指してステージ上に上げる。マスクを取ったその男性が「東京でバンドやらせてもらってます、OKAMOTO’Sのハマ•オカモトです」と自己紹介すると、大いに湧く会場。

マハラージャン

 「貞☆子」でベースを弾くハマに加え、戻ってきたまきやまとツインベースで応酬する本編ラストは、「THE FIRST TAKE」でもハマたちと共演し、その映像からマハラージャンを知った人も多いであろう「セーラ☆ムン太郎」をおのおののミュージシャンシップを放出してエンディングと相成った。

 本編を終えて「まだまだ曲、あるよね」という気持ちになったのは単にレパートリーが多いというだけでなく、世に出た曲全てがフックを持っているからだろう。恐るべしマハラージャン。3曲披露したアンコールの中でも、ストリーミングで注目された「いいことがしたい」が持つキャッチーさは初めて聴いた頃から色褪せていなかった。それにしてもやりたいことをやるために死にものぐるいで生きることと、それが暑苦しくないというこの奇跡的なバランスはどこからくるのだろう。間違いなく、この不思議なバランスに皆、魅了されている。大阪でのワンマンを経て、次は初の全国ツアーでタイトルは『夢』。とっさに演歌歌手のポスターが頭を掠めたことは内緒にしておこう。

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