日向坂46、ロケでの自由奔放なバラエティ力 “笑いのスタイル”を確立した宮崎ロケ~最新ご褒美ツアーまで振り返る

 日向坂46の冠番組『日向坂で会いましょう』(テレビ東京系)では、7月10日放送回から3週間にわたり日向坂46と番組MC オードリーのロケ企画が放送された。普段はスタジオ収録を行っている同番組だが、ロケ企画ではいつもと異なるメンバーの魅力を存分に楽しむことができる。そこで今回は、伝説の宮崎ロケ企画(2019年放送)での名シーンを振り返りながら、ロケでこそ感じられる日向坂46の魅力に迫ってみたい。

 そもそも宮崎ロケは、“日本のひなた”と称される宮崎県が、日向坂にオファーをしたことから企画されたもの。宮崎の風土がもたらす開放的な空気が良い方向に働いたのか、ロケでは数々の名場面が生まれた。

 特に話題になったのは丹生明里が「タルタルチキン!」と絶叫したシーンではないだろうか。「とんかつ争奪!常識クイズ」というコーナーが展開された時、松田好花と早押しで争っていた丹生は、「宮崎県の定番グルメで揚げた鶏肉にタルタルソースをかけた料理といえば何?」という問題に「タルタルチキン!」となんとも言えない表情で絶叫したのだ。

 もちろん、この料理名は「チキン南蛮」(その後、松田がしっかり正解していた)。しかし、後に埼玉・群馬を中心に関東で展開するスーパーマーケット・ベルクでは、「ベルク謹製 鶏もも肉のチキン南蛮」の商品名を期間限定で「タルタルチキン」に変更し販売することがあった。これを受け、丹生は「ほえっ!!!!???? 凄くないですか!!??」と驚きつつ、「あの日向坂で会いましょうの番組での宮崎ロケで私が言い間違えてしまったタルタルチキンが本当に商品として発売され、もう夢のようです!!!!」と感謝した(※1)。確かに、クイズでの言い間違いがまさかの商品展開……そういう意味でも、かなりのインパクトを残したシーンだったのだろう。この「タルタルチキン!」絶叫シーンはその後、数々のメンバーにモノマネされている。

 一方、宮崎で訪れた動物園(宮崎市フェニックス自然動物園)では「大喜利大会」が行われ、そこでは富田鈴花に悲劇が訪れた。「チンパンジー達にあって春日にないものは何?」という問題に対して、さまざまな解答が飛び交うなか、富田が「スタッフへの配慮」とフリップを出すと、その直後にチンパンジーが唾を吐き、富田に直撃するというハプニングが発生したのだ。これに思わず富田は号泣。

 この放送後、富田は自身のブログに「チンパンジーくん達は何も悪くないのに、ただただ私がトラウマに思っているだけなので、またチンパンジーくんたちと仲直りしに行きたいです」と書きつつ、「19年間生きていて『運がないなぁ、持ってないなぁ』って思うことが多かったのですが、最近自分がちゃんと『持ってる』んだなぁって思うことが多くなりました」「お世話になっている神様方、ありがとうございます」と記した(※2)。間違いなく、バラエティで富田が“持ってる”ことを視聴者に強く印象づけたシーンだったと言えるだろう。

 ビーチで行われた「ぐるぐるバット20m走対決!」でも名言が誕生した。割とまっすぐ走ってゴールを目指す佐々木久美に対し、高本彩花は大きく斜行してしまい、その結果2人は接触。高本は派手に転倒してしまったのだ。

 騒然とする収録現場。「おたけ大丈夫か!?」とオードリーが駆け寄ると、高本は「私ビックリしました……空が上にあって」というパンチラインを発し、その場は爆笑に包まれた。若林正恭も「これは殿堂入りの映像です」と評価し、結果、高本の「私ビックリしました…空が上にあって」は『第1回 日向坂名言大賞』の最優秀名言に輝いたのだ。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アーティスト分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる