新譜連載「本日、フラゲ日!」
NiziU、工藤静香、UVERworld、カーリングシトーンズ、花澤香菜……7月20日リリースの新譜5作をレビュー
毎週のリリース作の中から注目作品をレビューしていく連載「本日、フラゲ日!」。今回は7月20日リリースのNiziU『CLAP CLAP』、工藤静香『「感受」Shizuka Kudo 35th Anniversary self-cover album』、UVERworld『INSTRUMENTALS-∞』、カーリングシトーンズ『Tumbling Ice』、花澤香菜『駆け引きはポーカーフェイス』の5作品をピックアップした。(編集部)
NiziU『CLAP CLAP』
3rdシングルの表題曲「CLAP CLAP」は、彼女たちの新境地を切り開くファンキーなダンスナンバーだ。まるで万華鏡のように鮮やかに変化し続ける楽曲展開は圧巻で、リズムの解釈もセクション毎に次々と変わり続けていく。3分にも満たない楽曲であるにもかかわらず、とても濃厚で濃密な音楽体験をもたらしてくれる。そして何よりも特筆すべきは、このジェットコースターのような楽曲を鮮やかに乗りこなしていく彼女たちのダンスパフォーマンスだ。NiziUはこの楽曲において、グループ史上最高難易度のダンスに挑戦している。『SONGS』(NHK総合)でフルバージョンのパフォーマンスを観て、幾度とないフォーメーションチェンジの中で繰り広げられるパワフルでしなやかなダンスに圧倒された。「CLAP CLAP」は、結成3年目を迎えた彼女たちの現在地を示しながら、同時に今後のさらなる変化・進化の可能性を伝えているのだと思う。またこの曲は、観客の手拍子(CLAP)が重なることで、音源とは異なる新しいグルーヴが生まれるはず。今週末から全国アリーナツアーが幕を開けることもあり、ライブの場でこそ真価を発揮する楽曲だろう。(松本)
工藤静香『「感受」Shizuka Kudo 35th Anniversary self-cover album』
この夏、久々に音楽活動を活性化させている工藤静香。『テレ東音楽祭2022夏』(テレビ東京系)、『THE MUSIC DAY』(日本テレビ系)、『2022 FNS歌謡祭 夏』(フジテレビ系)と音楽番組に出演するたびにSNSを賑わせているが、ソロデビュー35周年を記念したセルフカバーアルバム『感受』によって、彼女に対する再評価はさらに進むことになりそうだ。「慟哭」「恋一夜」「嵐の素顔」「MUGO・ん…色っぽい」などの代表曲・ヒット曲を澤近泰輔、渡辺剛、村松崇継の3人がリアレンジしているのだが、核を担っているのは言うまでもなく、工藤のボーカル。年齢を重ねて成熟したというより、瑞々しく華やかな歌声によって、原曲の魅力を引き出しているのだ。夏には全国ツアーを開催。ぜひ新曲も聴いてみたい。(森)
UVERworld『INSTRUMENTALS-∞』
UVERworldのライブを観たことがある人なら、インストナンバーが大きな役割を果たしていることを実感しているはず。そのことを踏まえると彼らが“インストナンバーのベスト”を出すことも納得できるし、実際、本作には音源として残すだけの意義が強く刻まれている。収録曲は「7th Trigger」「在るべき形」「ODD FUTURE」「7日目の決意」「ナノ・セカンド」といったアンセムが中心。ボーカルトラックがない分、メンバー個々のプレイヤビリティと技術の高さ、アレンジの斬新さがダイレクトに伝わってくる。歌詞がなくても、つまり言葉に頼らなくても、ここまで強い波動とメッセージが突き刺さってくるーーその事実を体感できることが、本作の最大の収穫かもしれない。(森)